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18.川 ゚ -゚)会いに行くようです('A`)

2 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:00:54 ID:???O
 「なぁ」

 「何だよ?」

 「お前はさ、何の『神さま』なんだ?」

 「……知りたいか?」

 川 ゚ -゚)「あぁ、知りたいな」

 ('A`)「なら、当ててみ」


3 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:01:43 ID:???O

川 ゚ -゚)会いに行くようです('A`)


4 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:02:35 ID:???O
 丘の上にある寂れた神社には、
『神さま』が住み着いている。

『神さま』と言ってもそいつは、ホームレスばりにこ汚い、生意気な子供だ。

人の顔を見れば、二言目には「酒」。

『神さま』というのも自称なもんだから、それが本当かどうかは私も知らない。

さして興味もない。


5 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:04:21 ID:???O
('A`)「腹減ったなぁ……」

川 ゚ -゚)「ラーメンかなんか食べに行くか?」

川 ゚ -゚)「そのくらいなら奢るぞ?」

('A`)「あー、無理」

('A`)「俺、この神社から出られないから」

川 ゚ -゚)「出られない?」

('A`)「俺はあの大鳥居から、向こうに行けねぇんだ」

('A`)「この神社以外にゃどこにも行けない」

川 ゚ -゚)「……不便だな」

(;'A`)「そう思うなら、酒と飯くらい持って来いよ」

川 ゚ -゚)「考えとこう」


6 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:05:05 ID:???O
 ―――ただ、最初に会った時から、
こいつは普通の人間ではないんだって事だけは、感じていた。

でも、そんなの私にとってはどうでもいいことだ。


7 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:06:15 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)ノシ「やあ」

('A`)「よっ」

('A`)「……酒は?」

川 ゚ -゚)「ない」

(;'A`)「またかよ……。俺、神さまだぞ? 少しは俺を敬うとかさぁ」

川 ゚ -゚)「『神』とかwwwwwww自称だろwww」

(;'A`)「まぁ自称だけど…」

(;'A`)「お前は俺に借りがあるんじゃないのか? 酒のひとつや二つ…」

川 ゚ -゚)「子供に飲ます酒はない」

('A`)「俺、神さまなのに」

川 ゚ -゚)「自称だろう」


8 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:07:22 ID:???O
 随分前に、ひょんなことから知り合った『神さま』は、
酒がなによりも好きらしい。


('A`)「あー……腹減ったなぁ……」


 寂れて、誰も近寄らないような神社なんかにいるのは、
『神さま』と私くらいだ。

くだらない話をする時間を、

誰にも咎められないこの空間を、

私は何よりも大切に思っていた。


9 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:08:33 ID:???O
川 ゚ -゚)つ〇「まぁ、これで良かったら、あげよう」

('A`)つ〇「えー……。おにぎりかよ……」

川 ゚ -゚)「わざわざ握って来たんだ、感謝してほしいくらいだな」

(;'A`)「え……これお前が作ったの? これ食える? 大丈夫?」

(;'A`)「言っておくが、神殺しは大罪だからな!!」

川 ゚ -゚)「失礼だな」

('A`)「まぁいいや。中身は?」

川 ゚ -゚)「明太子」

(*'A`)「ほう」

(*'A`)「俺の好物がよく分かったな、褒美をやろう」


10 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:09:28 ID:???O
川 ゚ -゚)「マジか」

川 ゚ -゚)「何をくれるんだ?」

('A`)「そうだなぁ」

('A`)「……永遠の命、とか」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)

川 'A`)「永遠の命、とか(キリッ」

川 ; -;)「wwwwwwwwwwww」

(;'A`)「お、お前はバカにしてるけど、やろうと思えば出来るんだからな!」

川 ; -゚)「あー、うんうん、分かってる分かってる」

川 ; -゚)「何てったって、『神さま』だもんな」

(;'A`)「こいつうっぜぇ」


11 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:10:10 ID:???O
('A`)「でも、普通の人間は、『永遠の命』って聞いたら喜ぶもんなんだけどな」

川 ゚ -゚)「残念ながら私は『普通』じゃないんでね」

('A`)「んなこと知ってるよ」

('A`)「普通の人間なら」

('A`)「神社で首吊ろうなんてしねぇからな」

川 ゚ -゚)「随分昔の話を蒸し返すな」

(;'A`)「随分昔って……」

(;'A`)「お前に会ったの、つい数ヶ月前じゃなかったっけ?」

川 ゚ -゚)「ん? そんなもんだっけ?」

川 ゚ -゚)「なんかもっと前から知り合いだった気がしてたなぁ」


12 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:12:40 ID:???O
('A`)「……」

('A`)「ま、『褒美』は考えとくよ」

('A`)「でも、忘れんなよ」

('A`)「あの時俺が話し掛けなきゃ、お前今ここにいなかったってこと」

川 ゚ -゚)「あぁ、分かってるよ」

川 ゚ -゚)「でも」

川 ゚ -゚)「むしろ、そっちのが良かったかもな」

('A`)「…………」

川 ゚ -゚)「よいしょっと」

('A`)「ん? 今日はもう帰るのか?」

川 ゚ -゚)「あぁ、『神さま(笑)』にお供えも済んだしな」

(;'A`)「やっぱお前ウザいわ!」


13 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:13:29 ID:???O
('A`)「あ、それと」

('A`)「お供えモノなら、酒がいい」

川 ゚ -゚)「分かった」

川 ゚ -゚)「大鳥居の手前に置いとくよ」

(;'A`)「うっわ、うぜぇ」

川 ゚ -゚)「褒め言葉として受け取ろう」

川 ゚ -゚)ノシ「じゃあ」


 『神さま』がいる神社の大鳥居をくぐり、ちょっと振り返る。

大鳥居からこっちに来られないという
自称『神さま』の姿は、消えていた。


14 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:15:00 ID:???O
川 ゚ -゚)「………」

「―――ねぇ、あの子……」

「あぁ、素直さんちの…」

「確かあの子って―――」


 ひとたび神社を離れれば、すれ違う奴らは私を見て、
これみよがしにひそひそ話を始める。

あぁ、どいつもこいつも、相変わらずだ。


川 ゚ -゚)「……」


 ―――強靭な精神を持っていたとしても、
周りからここまで追い詰められるってのは、やっぱり堪えるものだ。

日々エスカレートしていく嫌がらせに耐えるのも面倒になって、
首を吊ろうと思った事もある。

……というより、一度だけ、吊った。


15 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:17:10 ID:???O
【全員恨みます】みたいな遺書置いて、
木に縄を引っ掛けて、さぁ死のうって時に、


(;'A`)『ここで死ぬなぁああぁああぁぁぁあ!!』


 『神さま』が、邪魔してきたんだ。


(;'A`)『ここで死んだら、誰がお前の死体見つけんだよ!! 誰も来ねぇぞこんな場所!』

(;'A`)『やだよ俺、人間が腐乱してく様を見るの!』

川 ゚ -゚)『…………』

川 ゚ -゚)『お前誰だよ』


 あの時は、お世辞でもなんか気の利いた事言えないのかと思った。

で、私の自殺を邪魔してきた『神さま』と話してたら……


川 ゚ -゚)『悩むのバカバカしいwwwwwwwwwwww』

('A`)『だろwwwwwwwwwwwwどうせ嫌われてんなら、存分に生きて、嫌がらせすりゃいいんだってwwwwwwwwwwww』


16 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:17:50 ID:???O
 ……我ながら、あの時はどうかしてた。

まともに会話したのも久しぶりだったからな……

嬉しかった、のかもしれない。

ちゃんと人(?)と話せたのが。


川 ゚ -゚)「ま、今となっては、ひたすらウザいガキんちょにしか思えないけど」


 でも、私が色々な意味であいつに救われたっていうのは確かで、そこは、『神さま』に感謝しているつもりだ。


17 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:19:13 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)ノシ「やあ」


 暇になったもんだから、日付が変わる頃、もう一度神社に向かった。

好物だという、明太子のおにぎりも握ってきた。

面倒だし重いから、酒は持って来ていない。

残念だったな。自称『神さま』。


川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ -゚)「あれ?」


 おかしいな。

いつも私が大鳥居をくぐると、どこからか出て来るはずなんだけど……


18 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:20:06 ID:???O
夜遅くに来たから、寝てるのか?
叩き起こしに行ってやろうかな。
どこで寝てるのかは、知らないけど。


川 ゚ -゚)「おーい」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「あーあ、残念だなぁ!」

川 ゚ -゚)「せっかくいい酒持って来たのに、『神さま』はお留守のようだ!」

(*'A`)「酒!!」

川 ゚ -゚)「あ、いた」

(*'A`)「酒は?!」

川 ゚ -゚)「釣りでした」

(;'A`)「うっわ…マジないわー、神さま騙すとかマジないわー」

(;'A`)「お前バチ当てるぞ」

川 ゚ -゚)「まぁまぁ」

川 ゚ -゚)「酒はないけど、」

川 ゚ -゚)「おにぎりだったら持って来た」

('A`)「ほう、中身は?」

川 ゚ -゚)「明太子」

(*'A`)「おk、許そう」


19 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:20:55 ID:???O
 おにぎりで許す神っていうのも、全く威厳がない。

この、みすぼらしいホームレスのような姿から、
威厳を感じろってのが、まず無理な話か。


川 ゚ -゚)「…うまいか?」

('A`)「お前が握ったにしては上出来だと思う」

川*゚ -゚)「そうか、うまいか」

川*゚ -゚)「頭を撫でてやろう」

(;'A`)「何だよ気持ち悪いな」

川#゚ -゚)


 褒められるのってこんなに嬉しかったかな?

もう長い間、誰かに褒められたことなんかなかった気がする。


20 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:21:50 ID:???O
('A`)「……」

('A`)「最近、どうよ?」

川 ゚ -゚)「ん? 何が?」

('A`)「『外』の様子とか。お前の様子とか」

('A`)「誰か、味方になってくれる人とか、そろそろ捜さねぇと」

川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ー゚)「無理だよ」

川 ゚ -゚)「この辺の人たち皆が私を嫌ってるだろ?」

川 ゚ -゚)「嫌ってるヤツから擦り寄られても、ウザったいだけだ。だから、無理だよ」

('A`)「………」

('A`)「でも、ずっとこうやっている訳にはいかないだろ?」

川 ゚ -゚)「なんで?」

('A`)「なんでって……」


21 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:24:21 ID:???O
('A`)「俺とお前は、根本的な部分が違うじゃん」

川 ゚ -゚)「あぁ……。『神さま』と人間って意味か?」

('A`)「そうそう」

('A`)「俺はこう見えても長い間を生きてるから、『独り』に慣れてるけど、お前は違う」

('A`)「限られた時間を生きる、人間だ」

('A`)「人は人と関わるのが、自然の摂理」

('A`)「どっちかが変わらないと、いつまでもこのままだぞ?」

川 ゚ -゚)「いいじゃないか、それ。私にとっては最高だよ」

川 ゚ -゚)「どうしたって、理解しあえない人間はいる」

川 ゚ -゚)「無理に和解する必要はないだろう」

('A`)「……」

('A`)「……ダメなんだよ。それじゃあ……」


22 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:25:10 ID:???O
川 ゚ -゚)「…… ('A`)「少し前から、お前に言おうと思ってた事がある」

川 ゚ -゚)「……何だ」

('A`)「お前の場合は境遇が境遇だったから、しばらく俺も姿現してたけど」

('A`)「間違いなく、このままじゃダメだ」

('A`)「人間は、この世のものじゃない奴と、関わってちゃいけねぇ」

('A`)「そういう風に出来てるんだってよ、俺もよく知らないけどさ」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「さっきから遠回しに言うな」

川 ゚ -゚)「はっきり言ったらどうなんだ」

川 ゚ -゚)「『お前は、あまり俺と馴れ合っちゃいけない』って」

川 ゚ -゚)「そう言いたいんだろう?」

('A`)「…………」

川 ゚ -゚)「……じゃあ」


23 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:25:55 ID:???O
川 ゚ -゚)「お前は私に、また独りになれと言ってるんだな」

(;'A`)「そうじゃない」

(;'A`)「だからさ―――」

川 ゚ -゚)「あぁ、お前の言いたいことは分かる。よく分かる」

川 ゚ -゚)「人と関われって事だろ?」

(;'A`)「あ、あぁ」

川  - )「―――」

川  - )「――それが簡単に出来てたら、そもそも私は自殺しようなんて思わない」

川  - )「出来ないんだ。出来ないんだよ」

川 ; -゚)「どこにも行けないお前には、分からないだろうな!!」

(;'A`)「あっ、おい、最後まで人の話を聞―――」


24 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:27:06 ID:???O
 『神さま』なんかには分からない。

前も後ろも、右も左も、上も下も、
どこを見ても敵しかいない人間の気持ちが。

授業受けることも、買い物することも、
私は周りの人に受け入れられない。

それがどれだけ辛くて、悲しいことか、お前には分からない。


川  - )「……」


 認めよう。

『神さま』と、くだらないことで笑ってた毎日が、
私にとっては何よりも楽しかったって。

どんなものよりも価値がある時間だって、そう思ってた。

誰かと笑いあえるのが、こんなに楽しいなんて知らなかったよ。

今さら独りに戻れなんて、何の冗談だ?

だったらあの日、首吊ろうとしたあの時、
話し掛けてこなければよかったんだ


25 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:28:11 ID:???O
川 ぅ- )「……」

 神社の長ったらしい階段の下から、
苔に覆われた大鳥居を見上げた。

いつだったか、『神さま』が言ってたな。


『俺はこの大鳥居から外には出られない』


 ざまぁみろ、とでも言っておこうか。

今度、あの鳥居の前で酒浴びるように飲んでやろう。

おにぎりの中身にキムチたっぷり入れて、境内に投げ付けてやる

嫌がらせなら得意だからな。

……なんて。


川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「分かったよ」

川 ゚ -゚)「もう、ここには来ない」


 なぁ、聞こえてるんだろ?

なんか反応したらどうなんだ

拝む人もいない神社で、大鳥居からこっちに来られない『神さま』なんか、
いてもいなくても変わらない

私と同じだと、思ってたのに―――


26 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:29:06 ID:???O
* * * * *
 * * * * *

ζ(゚ー゚*ζ「ね、知ってる?」

ζ(゚ー゚*ζ「この前、素直さん、夜中に泣いてたらしいよ~?」

(*゚ー゚)「えー、マジで?」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

ζ(゚ー゚*ζ「丘の上にさぁ、神社があるじゃん?」

(*゚ー゚)「あー、あの汚い神社?」

ζ(゚ー゚*ζ「そうそう。あの人、最近その神社に入り浸ってたみたいで~」

(;*゚ー゚)「え……マジ? あんなところで何してるんだろ、素直さん……」

ζ(゚ー゚*ζ「さぁ……。何にしても、不気味だよねぇ……」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」


 あれから数日。

夜中、泣きながら家に帰った私の姿は、バッチリ人に見られてたらしい。

根も葉もない話はどんどん大きくなってるし、
完璧に私は四面楚歌だか孤立無援だか、そんな状況にある。

まぁ、前からこんな感じだったんだから、大して変わっちゃいないけど。


27 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:30:10 ID:???O
川 ゚ -゚)


 ―――『神さま』の言うとおり、あれ以来神社には行ってない。

狭い部屋の隅で、ぼんやりする毎日だ。

ご飯食べるのも、買い物に行くのも面倒だし、
このまま死ぬのもいいな、なんて思い始めている。


川 ゚ -゚)「(わざわざ私の近くに来てまで、噂話とは)」

川 ゚ -゚)「(もうすぐ授業始まるのに、暇な奴らだな)」


(*゚ー゚)「あ、神社で思い出したけど―――」

(*゚ー゚)「あの神社、取り壊されるんだよね」

ζ(゚ー゚*ζ「へー、そうなの? まぁ、別にどうでもいいけどね~」

(*゚ー゚)「あそこ、階段長かったし、神主もいないしね」

(*゚ー゚)「素直さんくらいしか行かないでしょ」

ζ(^ー^*ζ「あはは、確かにそうだよね」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」

<あ、そういえばね―――


28 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:31:14 ID:???O
川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「……は?」


 講義の始まりを示すチャイムが鳴る。

わざわざ私の近くで噂話を披露してくれた彼女らは、慌てて席に戻っていった。


川;゚ -゚)「…………」


 ……神社が、取り壊される?

嘘だろう?


川;゚ -゚)「(どういう事だ……?!)」

川;゚ -゚)「(……神社が壊されたら、『神さま』は…!!)」


( ・∀・)「はい、みんなおはよう。今日も――― 川;゚ -゚)「っくそ!!」

(;・∀・)「あっ、素直さん?!」

ξ ゚⊿゚)ξそ


 チャイムが鳴り終わるのと同時に、
入ってきた教授を押し退けて神社に向かって走った。

あぁ、きっと神社に現れた私を見て、お前は言うんだろうな。


('A`)『―――酒は、持って来たか?』


 なんて、どうでもいい事を。


29 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:32:04 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川;゚ -゚)「はっ…はぁ……」


 『取り壊し』の話が本当かどうか、この目で確かめたくて、
神社の階段を一気に駆け上がって、大鳥居の前で足を止めた。

―――神社が取り壊されるなんて嘘だろう?

この町の人は皆、私を嫌ってるから、だからあんな嘘を……


川;゚ -゚)「っはぁ…はぁ……」


 大鳥居から見える神社の敷地内に、重機が見えた。

取り壊す気、満々だ。


川  - )「…………」

川 ゚ -゚)「……ちっ!!」


 あいつは、神社が取り壊されることを知ってるのか?!

どこだ?

どこにいる?


30 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:32:54 ID:???O
川;゚ -゚)「『神さま』! どこだ!! 出てこい!」

('A`)「おう呼んだ?」

川#゚ -゚)「『呼んだ?』じゃない!!」

(;'A`)「そんな怒るなよ……。それより、酒は?」

川#゚ -゚)「そんなもの、あるか!!」

(;'A`)「最後なのに」

川;゚ -゚)「っ」

川;゚ -゚)「……知ってたのか? 神社が取り壊されるって……」

('A`)「あー」

('A`)「そりゃあ知ってるさ」

('A`)「俺が、そうするように仕向けたんだからな」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)


 おいおいおいおい

何言ってるんだ、こいつ……

『そうするように仕向けた』って、何のために?


31 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:33:41 ID:???O
川;゚ -゚)「…………はぁ?」

('A`)「こないだお前、話の途中で帰ったじゃん」

('A`)「大切な事だから、ちゃんと話しておきたかったんだけど」

('A`)「全然神社に来なくなっちまったから」

('A`)「『神社取り壊し』って知ったら、お前、絶対ここに来ると思って」

川;゚ -゚)「いや、だから……意味が分からない!! 仕向けたって、どうやって!!」

('A`)「いやほら、俺、神さまだからさ」

('A`)「そんくらい簡単簡単」

川;゚ -゚)「……」

('A`)「あまり時間がないんだ」

('A`)「最後くらい、俺の話、聞いてけよ」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「……手短に話せ」

('A`)「おk」


32 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:34:42 ID:???O
('A`)「―――俺、ここの神社から出られないんだ」

川 ゚ -゚)「……そんな事、知ってるよ」

('A`)「お前があの日、ここに来る前は、人なんか誰も来なくてさ」

('A`)「独りに慣れてるとはいえ、まぁさすがに寂しかった」

('A`)「10年も20年も前までは、ちゃんとした神主がいたし、参拝する奴もいたのにな」

('A`)「―――で、やっと人が来たと思えば、首吊りの用意してやがるしさ」

('A`)「ったく、神社だってのにとんだ罰当たりな奴がいたもんだよな」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「あの時、お前を止めたこと、俺は後悔してないよ」

('A`)「毎日来てくれたから、退屈で寂しかった日常が、すごく楽しくなった」

('A`)「明太子のおにぎりも、まぁまぁ美味かったしな」

('A`)「俺だってひとりぼっちは嫌だったから」

('A`)「お前と話せるのが、嬉しかったんだ」

('A`)「でも、やっぱり人は人と一緒にいるのが、正しい」

('A`)「だから、この前……『人と関われ』って言ったんだけどね」

('A`)「あー……まぁ……その、なんだ」


33 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:35:34 ID:???O
('A`)「何だかんだで、お前に会えて良かったよ」

川  - )「…………」

('A`)「でもな、どうしたって俺とお前は違うんだ」

('A`)「ここに入り浸ってると、お前は余計に孤立しちまう」

('A`)「それは、ダメだ」

('A`)「お前は人の子なんだから」

川  - )「……」

川  - )「……私が……来なかったから……」

('A`)「?」

川  - )「……私が来なかったから…お前、神社を取り壊すように……」

('A`)「あー、いや、どのみちこうなる運命だった」

('A`)「形あるものはいつか無くなるもんだから」

('A`)「それに、ここに来づらくさせたのは俺だ」

('A`)「お前が気にする必要は全くない」

川  - )「…………」

川  - )「……社」

('A`)「ん?」

川  - )「社……取り壊されたら……お前もいなくなるのか?」

('A`)「あぁ。俺はここの神さまだからな」

('A`)「社と一緒に消える」


34 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:36:30 ID:???O
川  - )「……そうか」

('A`)「でも、約束する」

('A`)「俺は、お前の味方だ」

('A`)「これから先も、ずっと」

('A`)「他の奴らが何を言っても、大丈夫」

('A`)「神さまが味方なんだから」

川  - )「……ああ」

('A`)「それと、明太子のおにぎりの『褒美』だけど」

('A`)「ちゃんと、与えたからな」

川 ゚ -゚)「……?」

('∀`)「そのうち分かるさ。大切にしろよ?」

川  -;)「……あぁ。分かった……」

(`・ω・´)「今からお社を取り壊します。危険ですので、神社を出てください」

('A;)「ほら、―――行け」

川 ; - )「……っう」

川 ぅ-;)「…………」

川 ゚ -゚)「約束、したからな!! 絶対に破るなよ!」


35 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:37:16 ID:???O
('A`)b


 カッコつけた姿がここまで似合わない奴なんか、初めて見た。

解体作業の人に神社を追い出され、
大鳥居をくぐる前に社の方を振り返ったら、


('A`)ノシ


 世界で一番優しい神さまが、笑って手を振っていた。


36 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:38:29 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)「よいしょっと」


 ―――あれから、一年近くが経った。

神社があった場所は結局何の建物も建たず、空き地のままだ。

社が取り壊された時点で、『神さま』は、ぱったりと姿を消してしまった。

それでも私は、今でも明太子のおにぎりを持って、毎日神社跡地に行っている。

まぁ当然、酒はない。


―――どっかで見てるか? 神さま。

お前が言ってた『褒美』は、本当に大事にしてるよ。

ずっと気にかけてくれてたんだな。

ありがとう。


37 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:39:28 ID:???O
川 ゚ -゚)「―――結局、答えは教えてくれなかったけど、お前ってさ」

川 ゚ -゚)「疫病神だったのかな」

川 ゚ -゚)「それとも、座敷わらし的な神さま?」


 どっちだとしても妙に納得してしまうのは、
あのどこか憎めない姿の為せる技ってやつだろうか。

まぁ、もう答えは分からないんだ、考えても仕方ないってね。


川 ゚ -゚)「今日も『神さま』へのお供えは終了、と」

川 ゚ -゚)「さて、……悪いな、ツン。付き合わせちゃって」

ξ ゚⊿゚)ξ「そんなのは別にいいけど、クー」

ξ ゚⊿゚)ξ「いつも、何にお供えしてるの?」

川 ゚ -゚)「ん?」


38 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:41:54 ID:???O
川 ゚ー゚)「……神さまだよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「……『神さま?』」

川 ゚ -゚)「あぁ、神さまだ」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………?」


 明太子のおにぎりは、ちゃんとお供えした後に持って帰る。

あまり明太子は好きじゃないけど、食べてくれる人が出来たから、もう大丈夫だ。


ξ ゚~゚)ξ「相変わらず、クーが作ったおにぎりは美味しいわね。どうやって作ってるの?」

川 ゚ -゚)「普通に握ってるだけだぞ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「その普通ってのが出来ないのよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「今度作り方教えてね」

川 ゚ -゚)「分かった」

ξ ゚⊿゚)ξ「じゃ、そろそろ行きましょう」

川 ゚ -゚)「あぁ、ちょっと先に行っててくれ」

ξ ゚⊿゚)ξ「うん」


39 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:43:08 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ー゚)「さて、私も行―――」

『よぉ』

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)

『酒、持って来たか?』

川 ゚ -゚)

川 ゚ー゚)「…………」

川 ゚ー゚)「ないな。ここには、明太子のおにぎりしかない」


 ああ、やっとか。

遅かったな。バカ。


「仕方ない、今日のところは」


40 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:43:40 ID:???O



('A`)「明太子で許してやろう」


41 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:44:53 ID:???O
 ―――とある町に、

人に嫌われ、自殺しようとした、独りぼっちの女がいた。

 ―――とある町に、

汚らしい子供の姿のくせに、人のために自分が消えることすら厭わない、
馬鹿で不細工な、独りぼっちの『神さま』がいた。


42 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:45:30 ID:???O

  ―――丘の上の神社には、世界で一番優しい、『神さま』がいたそうだ。


43 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:46:05 ID:???O

川 ゚ -゚)会いに行くようです('A`)

終わり


44 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:47:19 ID:???O
ごめんなさい。

祭終了一分前に来て、一時間近く投下とか本当にすいませんでした。

三国志作品です。

ありがとうございました。

[ 2010/09/07 20:38 ] 三国志Z作品 | TB(0) | CM(0)

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