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22.从 ゚∀从メンズエステサロン『B型H系』なようです

>从 ゚∀从メンズエステサロン『B型H系』なようです

2 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:05:13.37 ID:dfEbyO1I0
从 ゚∀从「ほら、そこのにーちゃん。迷ってないで入ってきな」

从 ゚∀从「メンズエステ『B型H型』へようこそ。歓迎するぜ」

从 ゚∀从「知っての通り……なに、知らないだと? いいや、説明してやる」


从 ゚∀从「ここは男性専門のエステサロンだ。
静かな空間で濃厚なサービスを体験してもらうぜ」


从 ゚∀从「……おいおい、何逃げようとしてんだよ」ガッシ


从 ゚∀从「なぁに、心配することはない。ぼったくり料金も詐欺もない。
お前はただ美人エステティシャンと二人で部屋にはいって嬢に言われるがまま……」





从 ゚∀从「         ご  く  ふ  つ  う  の   」





从 ゚∀从「マッサージをうけてもらうだけだからよ」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:10:44.50 ID:0XnRVF9o0
むふふな展開期待


6 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:10:45.55 ID:dfEbyO1I0


从 ゚∀从「それじゃあコースを選んでもらおうか」





①   川 ゚ -゚)  クーちゃんの『ドキドキ☆ハートフル耳かき』
②   ξ゚⊿゚)ξ  ツンちゃんの『イケない☆フットマッサージ』(執筆中)
③   ノパ⊿゚)  ヒートちゃんの『熱血☆バーニングセラピー』(執筆中)
④   从'ー'从  人気No.1!! ナベちゃんの『スペシャルマッサージ』(執筆中)





从 ゚∀从「さ、頼むぜ>>15




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:13:38.37 ID:0XnRVF9o0
実に意地悪したくなる選択肢だ


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:14:47.12 ID:TJO4do9o0
ちょっと遠すぎるな・・・


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:15:05.64 ID:1u6wdDlXP
ぜんぜん高岡さんに関係ないじゃないですか!

つか>15とか遠いっつの


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:16:04.38 ID:0wB+ZEJBi



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:17:15.60 ID:0XnRVF9o0
きっと書き溜める時間を稼ごうとしてるんだよ
親切に1を選んでみる


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:18:27.41 ID:Lf4piiI10



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:19:13.47 ID:TJO4do9o0
2だな


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:25:09.52 ID:Lf4piiI10
ksk


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:27:11.90 ID:ezjuKjf60



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:28:37.22 ID:dfEbyO1I0
>>15
おい












おい


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:32:51.11 ID:ezjuKjf60
三国志参加者のながら力、見せてもらおうか


18 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:37:38.65 ID:dfEbyO1I0
>>17 いいぜ、受けてたとう

从 ゚∀从「ツンちゃんの『イケない☆フットマッサージ』だな。一名様ご案内~」
















ξ゚ー゚)ξ「ようこそ、いらっしゃいませ……」


ξ;゚⊿゚)ξ「って、あんた同じクラスのドクオじゃない!!」

(;'A`)「つ、ツン!!」


19 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:41:43.47 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……あんた高校生でしょ。こんな所来ちゃダメじゃない」

(;'A`)「そ、それを言うならツンも……」

ξ゚⊿゚)ξ「あたしはいいの。学校からも許可をもらってるわ。
普通の仕事じゃ妹たちを食べさせてあげれないし、その点ここなら学校のあとでも短時間で稼げるしね」

('A`)「へぇ、ツンって妹がいたんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ、デレっていってね。私によく似て……」

ξ#゚⊿゚)ξ「って、何であんたに家庭の事情を説明しなきゃならないのよ!!」

('A`)「(勝手に語りだしたくせに……)」



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:44:13.74 ID:ezjuKjf60
期待させていただこうか!


21 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:45:40.07 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ、まあいいわ。嫌だけどお客さんだし、さっさとはじめるわよ」

('A`)「う、うん……」

ξ゚⊿゚)ξ「それじゃあ早速そっちで足をあらってきなさい。準備しとくから」

('A`)「うい」








('A`)「ツーン、この蛇口水しか出てこないんだけど」

ξ゚⊿゚)ξ「仕様よ」

('A`)「仕様か……」



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 00:46:41.03 ID:0XnRVF9o0
仕様なら仕方ない


23 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:49:11.03 ID:dfEbyO1I0

('A`)「でたよー」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。じゃ、そっちに座って右足をあたしの膝にのっけなさい」

('A`)「はい」

ξ゚⊿゚)ξ「……うわ、油足。まだ水滴ついてるし……あんたちゃんとあらった?」

('A`)「も、もちろんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「ったく……」フキフキ

('A`)「ところで、何でツンは制服なの?」

ξ゚⊿゚)ξ「よくわかんないけど、こっちのほうがお客さん喜んでくれるのよ。時給も300円あがるし」

('A`)「さいですか……」


24 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:53:12.58 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「それじゃあいくわよ」モミモミ

('A`)「(く、くすぐったい……)」

ξ゚⊿゚)ξ「くすぐったいのはわかるけど、できるだけ動かさないでね」

('A`)「ぜ、善処する」

ξ゚⊿゚)ξ「……」モミモミ

('A`)「(……向かい合ってみるとわかるけど、ツンってやっぱりかわいいなぁ)」

ξ゚⊿゚)ξ「キモい顔でこっち見ない」モミモミ

('A`)「ごめん……」




25 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:56:06.16 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「……」モミモミ

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……はい、片足終了。もういっぽう出して」モミモミ

('A`)「(1分もたってないんだけど)」

ξ#゚⊿゚)ξ「早くしなさいよ」

('A`)「う、うん」




26 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 00:59:31.50 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「……」モミモミ

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……ふー、肩こるわぁ」モミモミ

('A`)「(……あ、パンツみえそう)」

ξ゚⊿゚)ξ「……」モミモミ

('A`)「(もうちょっと! もうちょっと!! いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!)」

ξ゚⊿゚)ξ「はい、お終い」

('A`)「(畜生……)」

(#'A`)「畜生ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「な、何よいきなり」

('A`)「ごめん……」



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 01:01:57.88 ID:ezjuKjf60
おい 「イケない」って点はここから広がるんだろうな


28 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:05:01.73 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「どう、調子は」

('A`)「ん……けっこうラクになってる。足裏だけなのに……」

ξ゚⊿゚)ξ「太腿とか脹脛は全部セットでやらないと効果が薄いからね。
短時間でラクになるなら踝から下だけで十分よ」

('A`)「へぇ……知らなかった」

ξ゚⊿゚)ξ「ひとりだいたい10分。ひとりあたり800円もらってるから時給は4800円ってところね。
1回あたりのお金はそんなに多くないけど、数をこなせばこなすだけ儲かるわ」

('A`)「そうなんだ(ひとり800円か……)」

ξ゚⊿゚)ξ「ちなみにあんたが今日の最後の客よ。ところで……」






ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、あんたいくらもってる?」


29 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:11:35.41 ID:dfEbyO1I0

('A`)「へ?」

ξ゚⊿゚)ξ「手持ちのお金。だいたいでいいから」

('A`)「えっと、さっき1200円払ったから……あと18800くらいかな」

ξ゚⊿゚)ξ「結構持ってるのね」

('A`)「帰りにゲーム買おうとおもってたから」

ξ゚⊿゚)ξ「ふーん……」

('A`)「じゃ、じゃあそろそろボクはこれで」





ξ゚⊿゚)ξ「喜びなさい、ドクオ。あんたを私のはじめての人にしてあげる

('A`)「え」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 01:13:56.02 ID:Lf4piiI10
なんだただの買女か


31 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:16:49.08 ID:dfEbyO1I0

('A`)「え、え……」

ξ゚⊿゚)ξ「ほら、さっさと服脱いで。次の客がいないとはいえ、いつまでもゆっくりしてられないんだからね」

('A`)「な、何を……」

ξ゚⊿゚)ξ「スペシャルマッサージよ。5000円でいいわ。たったの5000円でこんなにかわいい美少女が
ドクオみたいなキモ男を気持ちよくしてあげるんだから、安いもんよ」

('A`)「で、でも俺どどどどど童……そんな経験ないし」

ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫。あたしも男の人にやるのは初めてよ」

('A`)「でも……

ξ゚⊿゚)ξ「あー面倒い」


ξ゚⊿゚)ξ「 平 伏 せ 」

('A`)「ぐぅぅっ!」ベターッ


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 01:22:12.89 ID:0XnRVF9o0
wktk


33 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:23:57.16 ID:dfEbyO1I0


('A`)「(体が動かない……これはもしかして詫助……!)」

ξ゚⊿゚)ξ「……大丈夫。あんたの生体電流をイジって起き上がれないようにしただけだから」

('A`)「何……だと」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、こっちのほうがきっと体にいいはず。それじゃあはじめるわよー」ヌギヌギ

('A`)「…………」ガクガクブルブル

ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫、大丈夫。とっても気持ちいんだから」ポイッ      ←靴下を脱ぎ捨てる音



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 01:29:23.54 ID:ezjuKjf60
ほう


35 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:30:09.53 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「最初はかるーくいくわね」スリスリ          ←足でドクオの背骨をなぞっている

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「あらら、もう硬くしちゃって」フミフミ          ←肩甲骨をフミフミ

('A`)「はぁはぁ…」

ξ゚⊿゚)ξ「よし、それじゃあ本格的にいくわよぉ」フミフミ              

('A`)「あっ、あっ」

ξ゚⊿゚)ξ「反応いいわねぇ。やりがいがあるわぁ」




36 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:34:18.49 ID:dfEbyO1I0


ξ゚⊿゚)ξ「こっちはどうかしら」フミフミ                        ←脹脛をフミフミ

('A`)「き、気持ちいよ」

ξ゚⊿゚)ξ「そう? じゃあ次は手でやってあげようか」スリスリ

('A`)「う、ううん。足がいいなぁ」

ξ゚⊿゚)ξ「あらそう? 普通はイヤがると思うけど……」フミフミ

ξ゚⊿゚)ξ「足でヤられて気持ちいいなんて、ドクオちょっと変じゃない?」フミフミ

('A`)「(この体勢……無理して視線をあげたら……)」


('∀`)「(パンツ見放題や!!)」




37 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:38:09.23 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「……」シコシコ                                ←足踏みマッサージです

('A`)「……」ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「……」スリスリ                            ←非力なため、足でドクオの背中のツボをなぞってるだけです

('A`)「……」ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「どう、気持ちいいかな?」                                ←他意はございません

('A`)「……」ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「服の上からだと分かりづらいわね……やっぱ服脱ぎなさい」

('∀`)「おうともよ」シュパパッツ

ξ;゚⊿゚)ξ「ばっ、馬鹿! パンツは脱がなくていいわよ」




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 01:39:06.07 ID:ezjuKjf60
うん


39 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:39:09.54 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「……」シコシコ                                ←足踏みマッサージです

('A`)「……」ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「……」スリスリ                    ←非力なため、足でドクオの背中のツボをなぞってるだけです

('A`)「……」ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「どう、気持ちいいかな?」                                ←他意はございません

('A`)「……」ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「服の上からだと分かりづらいわね……やっぱ服脱ぎなさい」

('∀`)「おうともよ」シュパパッツ

ξ;゚⊿゚)ξ「ばっ、馬鹿! パンツは脱がなくていいわよ」




40 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:46:59.05 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「全く、うら若き乙女の前で全裸になるなんて……この変態!」

('A`)「も……もっと」

ξ;゚⊿゚)ξ「へ」

('A`)「もっと罵って!」
ξ#゚⊿゚)ξ「へ……変態! エロ助! どーてい! バカ犬!! 変態変態変-態!!!!」

('A`)「(……父さん、俺は新たなフェチに目覚めそうです)ハァハァ

ξ゚⊿゚)ξ「(ママ……今ならママがパパを鞭で叩いていた気持ちがわかるような気がするわ)ハァハァ



41 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:51:20.00 ID:dfEbyO1I0

('A`)「も、もう一度」

ξ;゚⊿゚)ξ「ふ、ふん!何であんたの言うことなんか聞かなきゃいけないのよ!
あんたなんか足だけで十分なんだから!!」コキコキ                  ←内太ももを踏み揉みしてます

('A`)「はうっ、はうっ!!」

ξ゚⊿゚)ξ「全く、強く踏めば踏むほど喜んじゃって……ほら、こんなのがいいの?」      ←わき腹を足でなぞっています

('A`)「うん、気持ちいいれすぅ」

ξ゚⊿゚)ξ「ほら、ひっくりかえりなさい。反対も踏んであげる」       ←足で仰向けにする

('A`)「(あ、この体勢だと下からブラも見える…)」ビクンビクン

ξ゚⊿゚)ξ「(……なんかテント張ってる)」



42 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 01:58:37.80 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「それ……もしかして」

('A`)「うん……なんだか興奮しちゃって」

ξ゚⊿゚)ξ「……仕方ないわね。イかせてあげるわ」

('∀`)「本当に?!」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ。こうなっちゃったのは私の責任だし」フミッ          ←ドクオの心臓を踏んでます

('A`)「え、そ、そこは…」

ξ゚⊿゚)ξ「ラストスパートいくわよぉ」



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:01:06.26 ID:ezjuKjf60
なんだと・・・?


44 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:04:00.86 ID:dfEbyO1I0

ξ゚⊿゚)ξ「はっはっ」コキコキコキコキ

(;'A`)「あっ、あっ」

ξ゚⊿゚)ξ「ふふふ、限界は近いみたいね」フミフミフミフミ

(;'A`)「そ、そこはそこは…そこはらめぇ!」

ξ゚⊿゚)ξ「ふふ、ドクオのここすっごく熱くなってる。足で触ってても火傷しそう」シュッシュ

(;'A`)「そ、それはただの摩擦熱で……」

ξ゚⊿゚)ξ「ほらほら、逝きなさい。罵倒されながら足で逝っちゃいなさい!」コキコキコキコキ


ξ゚⊿゚)ξ「この変態! 変態!  ド変態!!!」ビリビリリ


('A`)「逝くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」




             ドピュッ                           ←魂が抜ける音



45 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:08:06.66 ID:dfEbyO1I0

('A`) ……ハッ!

ξ゚⊿゚)ξ「気がついたみたいね……」

('A`) ここは?

ξ゚⊿゚)ξ「お店のバックヤード。気絶したあんたの体をこっちまでひっぱってきたの」

('A`)そうか……ごめん、迷惑かけて

ξ゚⊿゚)ξ「ううん、謝るのは私のほう。普通にマッサージしてたのに、最後はもう何が何だかわ
からなくて、
ドクオの心臓に電気按摩かけちゃうし……」

('A`)気にしないで。おかげで体が軽くなった気がするし

ξ゚⊿゚)ξ「そりゃそうね。だってあんた……」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:08:29.51 ID:ezjuKjf60
さすがにドピュはちょっと・・・?
48 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:13:03.70 ID:dfEbyO1I0

ファミファミファミーマ ファミファミマー

从 ゚∀从「ん、いらっしゃい」



从 ゚∀从「それじゃあコースを選んでもらおうか、>>51君」

①   川 ゚ -゚)  クーちゃんの『ドキドキ☆ハートフル耳かき』
②   从'ー'从  人気No.1!! ナベちゃんの『スペシャルマッサージ』(執筆中)
③   帰る



×   ξ゚⊿゚)ξ  ツンちゃんの『イケない☆フットマッサージ』(本日の案内は終了しました)
×   ノパ⊿゚)  ヒートちゃんの『熱血☆バーニングセラピー』(予約満杯につき終了)




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:14:22.59 ID:ezjuKjf60

しかし三国志ってののシステムわかんないんだが、あんま人いないのかね

朝に残りの嬢が完成していることを願いつつ寝るぜ


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:14:44.74 ID:pOROcSyk0
アンチクライストです

kskしてあげます


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:16:39.17 ID:ezjuKjf60


がんばってくれーい


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:20:59.75 ID:dfEbyO1I0
>>51







>>51


53 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:27:21.77 ID:dfEbyO1I0

从 ゚∀从「…ベちゃんの『スペシャルマッサージ』ですね。一名様ご案内~」











あや「ようこそ~わたしが渡辺です。不束者ですがよろしくお願いしまーす」

>>51「(三つ指ついてお出迎えなんて……風俗みたいだな)」



54 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:28:47.47 ID:dfEbyO1I0

从 ゚∀从「…ベちゃんの『スペシャルマッサージ』ですね。一名様ご案内~」











从'ー'从「ようこそ~わたしが渡辺です。不束者ですがよろしくお願いしまーす」

>>51「(三つ指ついてお出迎えなんて……風俗みたいだな)」



55 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:32:10.21 ID:dfEbyO1I0

从'ー'从「えっとですね、このコースはお客様の腰からお尻にかけてのせじゅつになります。
この部分は人間が生活するうえで大切な部分なんで、みっちり揉みますよぉ」

>>51「(手もプニプニしててかわいいなぁ)」

从'ー'从「それじゃあ、ちょっとお風呂いれてきますねぇ…わわっ!」ズルペターン

>>51「(縞パン……)」


(中略)


从'ー'从「ふぅ、これで準備完了ですね」

>>51「(準備の間もパンチラしてくれるし胸を背中に押し付けてくるし、エロい顔してくれるし……)」

>>51「(本番が楽しみだなぁ)」




56 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:35:36.40 ID:dfEbyO1I0

从'ー'从「それじゃあ私はこれで……」

>>51「へ? 渡辺さんじゃないの?」

从'ー'从「私はただの助手さんですから……
大丈夫です。これから本当の担当者がやってきます」

??「おーい、渡辺。準備はできたか?」

从'ー'从「はーい。ちょうどよかった。
紹介します。こちらが当エステサロンNo.1施術士……」




57 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:38:13.13 ID:dfEbyO1I0
            _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
            |\      ー ─‐       , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_



从'ー'从「ナベちゃんこと、阿部孝和さんです」

>>51「                        」



58 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:49:00.15 ID:dfEbyO1I0
<ただいまナベちゃんによる施術が行われています。描写に耐えないので、作者がボツにした替歌でお楽しみください>

『Boon! Kei! MANIAC』

やばい!止まれない 止まらない 昼に夜に朝にWrite So Now! みんな一緒にね
Boon! Boon! 願いを Tun! Tun! 掲げて Coo! Coo! 想いを Doku! Doku! 伝えよう
落としたらメロンのせいにして延期!(パンッ)

誰も持ってる妄想っていう名の作成案(プロット) ぎゅっと詰まっているよ 喜怒哀楽in your地文
スレ立て落ちたり 自演したりbusy  カオス満載な日々 ネタにしちゃお ぶちまけ合っちゃお!

投下中も無意識にチェックする 他スレ Scene あやふやでOK 信者大事
不意に刻む誤爆 支援しあっちゃお Be My 自由にEnjoy 楽しんだもんが勝つ!

ごめん! 書けてない 書けきれない だってやっぱりまだWrite So Now
好きな物書いているだけだよ Boons Go Maniac!
あらゆるジャンルを 試していきたいんだ ずっとずっと ニュー速でね
Boon! Boon! 明日も Tun !Tun! 夢見るCool! Cool! 強気で Doku! Doku! スレ立てよう
浴びたら忘れらんないっしょ支援・乙!(パンッ)


       『スペシャルマッサージ』編  終了


59 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 02:51:11.66 ID:dfEbyO1I0

ファミファミファミーマ ファミファミマー

从 ゚∀从「ん、いらっしゃい」



从 ゚∀从「それじゃあコースを選んでもらおうか、>>60

①   川 ゚ -゚)  クーちゃんの『ドキドキ☆ハートフル耳かき』
②   帰る



×   ξ゚⊿゚)ξ  ツンちゃんの『イケない☆フットマッサージ』(本日の案内は終了しました)
×   ノパ⊿゚)  ヒートちゃんの『熱血☆バーニングセラピー』(予約満杯につき終了)
×   从'ー'从  人気No.1!! ナベちゃんの『スペシャルマッサージ』(本日の案内は終了しました)



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 02:52:34.52 ID:dfEbyO1I0
1




70 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:31:34.10 ID:dfEbyO1I0

从 ゚∀从「クーちゃんの『ドキドキ☆ハートフル耳かき』だな。一名様ご案内~」







川 ゚ -゚)「やぁ、指名してくれてありがとう」

(´・ω・`)「こんばんは、よろしく頼むよ」

川 ゚ -゚)「ああ。それじゃあ私は準備してくるから軽くシャワーでも浴びてきてくれ」

(´・ω・`)「了解した」ヌギヌギ

川 ゚ -゚)「……」

(´・ω・`)「……」

川*゚ -゚)「…恥ずかしいから脱衣所で脱いできてくれないか?」

(´・ω・`)「すまない」


71 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:34:23.01 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「それじゃあはじめるぞ。寝転がって私の膝に頭を乗っけてくれ」

(´・ω・`)「……タオル」

川 ゚ -゚)「この膝にかかってるタオルか?」

(´・ω・`)「どちらかというと生太もものほうがいいな」

川 ゚ -゚)「追加料金3000円でいいなら取ろう」

(´・ω・`)「背に腹はかえられんな……」




72 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:37:51.98 ID:dfEbyO1I0

(´・ω・`)つ3000円

(´・ω・`)「ほら」

川 ゚ -゚)「まいどあり」ハラリ

(´・ω・`)「(思ったとおり、いい脚してやがる……)

(´・ω・`)「(タイトスカートからチラリとパンツも見えるし……正解だったな)」

川 ゚ -゚)「よし、それじゃあ寝転がってくれ」

(´・ω・`)「ほいきた」




73 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:40:27.81 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「…………なぁ」

川 ゚ -゚)「手元が狂うから話しかけないでくれ」

(´・ω・`)「」



74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 11:42:51.66 ID:bmeF5SUX0
ほう・・・支援


75 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:44:02.63 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………よし」カリカリカリカリ

川 ゚ -゚)「反対をむいてくれ。そろそろセラピーをはじめるぞ」



76 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:55:46.45 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………お前も大変だな、山本」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「(誰だよ!)」

川 ゚ -゚)「そうそう、私は見聞色の覇気が使えるからな。
山本が喋らなくてもセラピーには問題ない。よかったな」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「……」




77 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 11:59:45.73 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「聞いたぞ、同期の平沢は課長になったんだってな」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「(いや、そんな同期いないし!)」

川 ゚ -゚)「田井中は部長だし、秋山は去年主任になった。後輩の中野は来期昇進が内定したらしい」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「(くそう、つっこみてぇ……)」

川 ゚ -゚)「早期退職した琴吹は今じゃいくつもの外食チェーンをかけもちする社長だ。羨ましいな」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「……お前だけだぞ、あの年に入社して未だにヒラ社員なのは」カリカリカリカリ

(´;ω・`)「(…………なぜそこだけ本当のことを)」




78 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 12:02:27.75 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「…………」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「お前の長男、たかしは学校で虐められているらしいな」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「(俺は独身なんだが…)」

川 ゚ -゚)「何でも、他の子の父親と比べてお前はみずぼらしすぎるらしい」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「…………」

川 ゚ -゚)「泣いてたよ、妻のよし子は。否定できないって」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「…………」


川 ゚ -゚)「……わかーるわかるよ君の気持ち♪」カリカリカリカリ

(;´・ω・`)「(古!)」



79 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 12:05:32.33 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「でもー勝ち組になりたいよね~……っと。終了だ」カリカリカリカリ

(´・ω・`)「…………ふぅ、気持ちよかった」

川 ゚ -゚)「」ギュッ

(´*・ω・`)「(む、胸が顔に!!)」


川 ゚ -゚)「山本、私はわかるぞ。家族のため、会社のため、必死に自分を押し殺してがんばってきたんだな」

(´・ω・`)「……」

川 ゚ -゚)「なかなか自分の弱みっていうのは口には出せない。プライドの高い人間ならなおさらだ」





80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 12:10:42.92 ID:oHBx3aHN0



81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 12:14:10.98 ID:ixmiRQVy0



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 12:32:45.05 ID:Lf4piiI10
さるったか?


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 12:34:16.04 ID:p38Xegwe0
頑張ってください>>1さん!僕はもう投下が終わりましたけど応援してますからねふれーふれーいちさん!


84 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 12:40:52.83 ID:dfEbyO1I0

川 ゚ -゚)「もしまた辛い事があったらここに来い。耳かきついでに、お前の心の垢もおとしてやるよ」

(´・ω・`)「……ありがとう」


川 ゚ -゚)「……やっと笑ってくれたな。それじゃあ時間もきたし……」


川 ゚ -゚)「最後の“ぱふぱふ”代、50000円頂きます」

(´・ω・`)



     川 ゚ -゚)  クーちゃんの『ドキドキ☆ハートフル耳かき』編  終了




85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 12:44:08.01 ID:xOZn+K7+0
必死にアラフォー叩きに持っていこうとしてるアフォがいるな。映画批評と関係ないじゃん。
アニヲタ向けアニメに向かって、「アニヲタきめぇwwwww」と馬鹿にしてるようなものだ。
この映画のダメなところは、どんな客層が見ようが、映画として破綻してしまっていること。
おそらく女ウケする要素を徹底リサーチしまくって、話をいじり倒したのだろうが
女(というか特定個人)の欲望のみに忠実であろうとした結果、
女主人公はエゴ剥き出しの超功利的な嫌な女にしか見えず、
無人島であるはずの世界設定は、南国リゾートかよwという感じに破綻してしまった。
嫌な女が、リアリティ皆無の世界で暴れてるだけの、馬鹿映画になってしまったのだった。
2ちゃんで憂さ晴らしもいいが、映画のスレなんだから、「映画の」批判をしようや。


86 : ◆ciIGy1s8/FIC :2010/09/05(日) 12:44:25.91 ID:dfEbyO1I0



从 ゚∀从「はい、お疲れさん。気持ちよかったか?」


从 ゚∀从「……え? あたいのサービスはないのか、って?」


从*゚∀从「ばっ、馬鹿! 何でおまえなんかにサービスしてやらなきゃいけないんだよ!!」




从*゚∀从「……でも、さ。もしまた来てくれるっていうのなら考えてあげてもいいぜ……」


从 ゚∀从「じゃあな、またのお越しをお待ちしてるぜ」



おわり



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[ 2010/09/07 20:53 ] 三国志Z作品 | TB(0) | CM(1)

21.ロック、ミュージック、経血ゼリーのようです


ロック、ミュージック、経血ゼリーのようです


1 ◆nBapHd/hQc:2010/09/05(日) 23:38:43 ID:3azLLtHAO
間に合ったああ……

ギリギリに申し訳ないです。
三国志参加作品、投下致します。


2読者速。:2010/09/05(日) 23:43:28 ID:3azLLtHAO

やっぱり、給食のあとの歴史は眠くなる。僕は眠るまい、と必死で自分と戦っていた。

(*゚∀゚)「そして暗黒時代が終わり、世界はまた平和になったんだわさ」

乳首をつねってみようかと思ったとき、終わりのベルが鳴った。

何故だか眠気は、ベルと一緒に消えていってしまったみたいだ。

(*゚∀゚)「じゃあ今日の授業は終わり! 帰りの会も省略するぞー」

(*゚∀゚)「気をつけて帰れよー」

つー先生は凄くいい先生だけど、凄く適当だ。

僕はグッピーの餌当番を決めたかったけれど、明日にしようと思った。

( ・∀・)「おーい、ドクオ」

教科書を鞄に詰めていると、クラス一のイケメン、モララー君が話しかけてきた。


3読者速。:2010/09/05(日) 23:46:00 ID:3azLLtHAO

('A`)「何だい、モララー君?」

( ・∀・)「聞いたかい、遂にショボンの野郎も頂いたそうだぜ」

( ・∀・)「経血ゼリー」

('A`)「へ、へぇ……」

僕は平静を装っていたけれど、本当は凄くどきどきしていた。

経血ゼリーを貰っていないのは、あとは僕とショボン君だけだったからだ。

( ・∀・)「これでクラスの皆、女の子に経血ゼリー貰ったみたいだな」

( ・∀・)「あれ?」

(;'A`)「う……」

( ・∀・)「そういや、ドクオはまだだったかな?」


4読者速。:2010/09/05(日) 23:49:03 ID:3azLLtHAO

('A`)「……僕だって」

('A`)「僕だってすぐに、経血ゼリーで鞄がいっぱいになるもん」

( ・∀・)「じゃあ、今誰かに貰ってみなよ」

('A`)「いいよ」

ちょっと見栄を張っちゃった僕はいいよ、なんて返事をしてしまった。

胸は不安でいっぱいだ。だけど、いつかは通る道なんだ。

勇気を出して、水槽の前でお喋りしている女の子達に近づく。

('A`)「ね、ねえ……」

緊張して声が上擦る。
誰かに告白するのはこんな気分なのかも知れない。

ミセ*゚ー゚)リ「なあに?」

川 ゚ -゚)「?」

まずはジョークで和ませて、それから経血ゼリーを貰う。

家で何回も練習してきたんだ、きっと上手くいくはずだ。


5読者速。:2010/09/05(日) 23:52:21 ID:3azLLtHAO

('∀`)「僕のエクストが、エクストプラズマン!」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

川 ゚ -゚)「……は?」

( ・∀・)「まあまあ、みんな落ち着いて」

眺めていたモララー君が笑いながらこっちに寄ってきた。

僕はどうしたらいいか分からなくて、水槽のグッピーを見つめる。

グッピーはちょうど糞をひねり出していて、僕はあまり良い気分じゃなかった。

ミセ*゚ー゚)リ「あ、モララー君!」

( ・∀・)「おっと一番落ち着かなきゃいけないのは、僕のエクストプラズマンだな」

ミセ*゚ー゚)リ「きゃー! モララー君素敵!」

ミセ*゚ー゚)リ「私の経血ゼリーあげちゃう!」

川*゚ -゚)「私も私も!」


6読者速。:2010/09/05(日) 23:56:10 ID:3azLLtHAO

女の子はまるで見えないかのように、僕を押しのけてモララー君を囲みだした。

僕は、経血ゼリーの一つも貰えない自分が恥ずかしくなる。

('A`)「モ、モララー君のばかー!」

(; ・∀・)「あ、ドクオ!」

頭が真っ白になって、教室を飛び出した。

('A`)「みんなのばかー!」

校門を抜けたところで息が切れて、とぼとぼと歩きだす。


7読者速。:2010/09/05(日) 23:58:38 ID:3azLLtHAO

('A`)「ずっと女の子から経血ゼリーも貰えない人生なのかな?」

('A`)「はぁ……」

世界は平和だなんて先生は言うけれど、僕にはちっともそうは思えなかった。

イケメンのモララー君がジョークを言うと喜んで、僕が言うとみんな不機嫌になる。

そんなの不公平だ。思わずため息がこぼれる。

('A`)「はぁ……」

(*'A`)「経血ゼリーでいっぱいのプールで泳ぎたいなぁ」

そんなことを考えていた時だった。

道路の真ん中で何かが光っているのが僕の目に映った。

('A`)「あれは……?」


8読者速。:2010/09/06(月) 00:03:10 ID:nG2T7v7AO



* * * * * *


2045年、東京ーー



激しいドラムの音が直に聴覚を刺激してゆく。

やがてヴォーカルの特徴的な低い声が聴こえ始めた。Space boy you're sleepy……

(#゚;;-゚)「……」

50年も前の音楽だ。今では、懐かしむジジイぐらいしか聴く者はいない。

(;‘_L’)「ハァハァッ……許してくれ……」

(#゚;;-゚)「今サビなんだよね。黙っててくれないかな」


9読者速。:2010/09/06(月) 00:05:15 ID:nG2T7v7AO

しかし何と言われようが、私はこの時代のロックが好きなのだ。

(;‘_L’)「分かった! 黙る! 黙るから……」

口に含んだ電音ガムの、擬似的に錯覚させる味が苦くなる。曲の終わりに近づいたようだ。

(#゚;;-゚)「もういいよ」

左手に構えた拳銃で、奴の頭を吹っ飛ばした。

派手に飛び散る返り血に、私は目を閉じる。ライブラリは次の曲を再生していた。

(#゚;;-゚)「しぃちゃん、私やったよ」

しぃは、今はもういない。

経血ゼリーを無理矢理奪われた彼女も、きっとこれで報われるだろう。


10読者速。:2010/09/06(月) 00:07:08 ID:nG2T7v7AO

アメリカの経済破綻によりドルは信用を無くし、それは世界恐慌へと変わった。

スラムと普通の街の境界は消え、モラルは著しく低下した。

そんな中、経血ゼリーこそ人の全てであるとどこかのカルトが言い出した。

お金、仕事、夢。
今までそこにあって当たり前のものが、全て崩れ去ったのだ。

自暴自棄になった人々の中で、その悪しき俗習は爆発的に流行した。

それは文化に成りかねない勢いだった。

勿論政府は経血ゼリーを禁止するも、それが更に酷い結果に繋がる。

闇経血ゼリーが広まったのだ。


11読者速。:2010/09/06(月) 00:11:25 ID:nG2T7v7AO

(#゚;;-゚)「……」

(#゚;;-゚)「……煙草、買わなくちゃ」

飛んでいた意識を現実に戻す。目の前の男は、とうに息絶えていた。

私はレインコートを羽織り部屋を後にする。薄暗い街だ、これで返り血も目立たない。

天に刺さるように立ち尽くす高層ビルのせいで、日中でも常にどんよりと暗い。

<ヽ`∀´>「いらっしゃい、いらっしゃい!」

その機能していない無人のビルの前では、無許可の露天が並んで様々な物を売っている。

( ´_ゝ`)「高いな、半値で売れ、半値」

揺らめく露天商のネオンと溢れる人。

右へ左への流れに私も身を任せて歩きだす。


12読者速。:2010/09/06(月) 00:13:59 ID:nG2T7v7AO

(#゚;;-゚)(煙草を買ったらペニサスのとこに寄ろう)

濁流のような人の群れを抜けて、顔馴染みの露天の前で立ち止まる。

店主は読んでいた書物を閉じ、私に歪んだ笑顔を向ける。

とても胡散臭い笑顔だと私は毎回思う。

(#゚;;-゚)「いつもの煙草。5本ね」

( ^^ω)「どうもでぃさん、等級はどうします?」

(#゚;;-゚)「私がA級買うと思ってるの?」

一番高い等級は馬鹿高い税金もちゃんと納める、政府純正の煙草だ。

滑らかな喉越しらしいが、私は吸ったことがない。

( ^^ω)「はいはい、いつものですね」


13読者速。:2010/09/06(月) 00:17:10 ID:nG2T7v7AO

吸い殻の根本に残った葉を集めて巻いた、この店オリジナルの屑煙草。

超ロースト仕様だと思えば、吸えないこともない。

私はその場で煙草を一本くわえ、店主と立ち話をした。

(#゚;;-゚)「しかし、ごちゃごちゃと色々売ってるよね」

( ^^ω)「お客様のニーズに応えるのも仕事のうちですから」

人工肉製品からよく分からない怪しげなものまで、所狭しと置かれている。

貼り紙に商品名だけ書かれ現物のないものは、恐らくドラッグの類だろう。

(#゚;;-゚)「電音ライブラリの新しいのはある?」

( ^^ω)「いやぁ、ウチじゃ扱ってないですね」


14読者速。:2010/09/06(月) 00:20:36 ID:nG2T7v7AO

(#゚;;-゚)「そうなんだ」

( ^^ω)「技術はあっても、作る人なんていませんよ」

埋め込んだライブラリが不調を来たし、終始音楽が私の脳内で鳴り続けている。

今は丁度、昔好きだったポップソングが流れていた。

(#゚;;-゚)「そっか、ありがとう」

バッテリーが切れるのは私がババアになる頃だろう。

その場に吸いきった煙草を捨てて歩き始める。

吸い殻を拾う店主が目に入ったが、私は何も言わなかった。

(#゚;;-゚)(吸い殻の吸い殻の煙草を巻いて、最後には何を吸うんだろう?)

雑踏の中、私はそんなどうでもいいことを考えていた。


15読者速。:2010/09/06(月) 00:25:26 ID:nG2T7v7AO

露天の繁華街を抜けたそばのマンションに立ち入る。

マンションと言っても管理者は居らず、エントランスは無人だ。

(#゚;;-゚)(ペニサスは201号室だったかな)

鍵の掛かる部屋は殆ど空き部屋で、掛からない部屋は誰かが勝手に使っている。

ペニサスはそこの正式な入居者だが、勝手にそこでバーを開いている。

まともな入居者は稀にいても、まともな人間はあまりいない。

玄関の扉を開けたすぐそこに、いつものようにシャキンが座っていた。

(#゚;;-゚)「こんばんわ」

(`・ω・´)「あ、ども!」

(`・ω・´)「し、でぃさんいらっしゃいませ!」

シャキンはこの店の従業員だ。

ペニサスが言うには用心棒兼、雑用らしいが、私は恋人なんじゃないかと睨んでいる。


16読者速。:2010/09/06(月) 00:29:24 ID:nG2T7v7AO

(`・ω・´)「どうぞ、奥へ」

居間を改装した5席程の簡素なバーには、今時珍しい木材が使われている。

それは何故か私をホッとさせる。よく来てしまうのも、そのせいかも知れない。

('、`*川「あら、いらっしゃい~」

ペニサスはカウンターの内側で、小説を読んでいた。
紙も貴重な現代に小説は贅沢品だ。

(#゚;;-゚)「一番安いお酒」

(`・ω・´)「そんなの飲んでいたら、体に悪いですよ」

(#゚;;-゚)「いいの」

('、`*川「はい、バーボン。混ぜ物無しよ」

(#゚;;-゚)「え?」

粗悪なアルコールを混ぜていないお酒は値段が倍は高い。私もしばらく飲んでいない。


17読者速。:2010/09/06(月) 00:34:04 ID:nG2T7v7AO

('、`*川「これはサービス。あとでシャキン君の給料から引いておくわ」

(;`・ω・´)「そんな勝手な!」

('、`*川「あら、安酒は体に悪いんでしょ?」

(;`・ω・´)「それとこれとは話しが……」

(#゚;;-゚)「……」

似合わないウィンクを決めるペニサスに、横で慌てふためくシャキン。

私はちょっと笑って礼を言った。

(#゚;;ー゚)「ありがとう」

('、`*川「あれ、顔に血が付いてるわ」

('、`*川「私が拭いてあげる~」

どんな接客業にも暗黙のルールがある。


18読者速。:2010/09/06(月) 00:37:09 ID:nG2T7v7AO

客が話したくないと思うことは、訊かないように気をつけなければならない。

('、`*川「また怪我したの?」

('、`*川「でぃさんってば、おっちょこちょいね」

ペニサスはその辺がいまいち分かってないのだ。

緊張した顔のシャキンをよそに、能天気な調子で色々と訊いてくる。

('、`*川「どこを擦りむいたんだろね?」

(`・ω・´)「そ、それよりソイフードが入ったんです。如何ですか?」

そんな対称的な二人が可笑しかった。

(#゚;;-゚)「じゃあ一つ食べようかな」

('、`*川「あ! 誰か別の人の血だったりして!」


19読者速。:2010/09/06(月) 00:44:09 ID:nG2T7v7AO

慌ててシャキンがペニサスの声に被せるように言う。

(;`・ω・´)「分かりました! 今作りますね!」

ペニサスはペニサスでどこ吹く風だった。

この二人だったら何のお店でも成功するかもしれないな、と私は思った。

('、`*川「なんちゃって~」

それから、他愛のない雑談をした。
というよりは、二人の会話に私が時たま意見を言う感じだった。

そういうのが私は好きだった。

('、`*川「でね、シャキン君荷物忘れててね、食料全部腐ってんの」

(#゚;;-゚)「うんうん」

(`・ω・´)「だから、それはペニサスさんが取ってくる予定だったじゃないですか」


20読者速。:2010/09/06(月) 00:50:49 ID:nG2T7v7AO


一枚のアルバムが終わる頃、ペニサスが言った。

('、`*川「そうそう、経血ゼリーの売人が分かったわよ」

接客業は顔が広い。私はペニサスに捜してもらうように頼んでいた。

(#゚;;-゚)「ほんとう、なんて奴?」

('、`*川「私が写真を撮ってきたんだから、えっへん!」

そう言って見せられた写真は、ややピントのずれたものだったが顔は分かった。

それは、私の知る人物だった。

グラスに残った酒を一気に飲みきる。口に独特の酸味が残った。

(#゚;;-゚)「ありがとう、そろそろ行く」


21読者速。:2010/09/06(月) 00:53:06 ID:nG2T7v7AO

('、`*川「また必ず、来なさいよ」

(#゚;;-゚)「うん」

或いはペニサスは私が何をしているのか知ってて、訊くのかもしれない。

ペニサスの言葉は、何となくそんなニュアンスだった。

お金を席に置いて立ち上がると、玄関まで見送りにシャキンがついてきた。

(`・ω・´)「でぃさん、あんまり無茶なことはしないで下さいね」

(#゚;;-゚)「分かってる」

これから無茶をするのだ。
私は話しを変えたくなって、あの推測を聞いてみた。

(#゚;;-゚)「それより、ペニサスとは上手くいってるの?」

シャキンの顔が僅かに緩む。


22読者速。:2010/09/06(月) 00:58:43 ID:nG2T7v7AO

(`・ω・´)「昨日、初めて僕のために料理を作ってくれて…………」

どうやら勘は当たっていたらしい。私は心の中でガッツポーズを決めた。

(`・ω・´)「って、あれ? 知ってたんですか?」

(#゚;;-゚)「ふふ、今知ったの」

(;`・ω・´)「あ、ハメましたね! 内緒の約束なのに!」

(#゚;;-゚)「ずっと仲良くしなきゃだめだよ」

ドアを閉める前に私はそう言った。いつまでも、二人の平和が壊れないことを思って。


23読者速。:2010/09/06(月) 01:06:57 ID:nG2T7v7AO

(#゚;;-゚)(さて、と)

顔を二回ほど叩いて酔いを覚ます。

(#゚;;-゚)(ほろ酔いぐらいなら、大丈夫か……)

その足で私は人と物が溢れる露天街に戻った。

街は夕暮れを迎え、音楽越しでも騒がしく聞こえるくらいに活気づいていた。

(#゚;;-゚)「……」

思えば、納得がいく。

経血ゼリーは高価で取引される。
高い書物だって読めるし、潤沢な資金で売る商品も揃う。

お客様のニーズは広いものだ。

(#゚;;-゚)「こんばんわ」

私の声に顔を上げた彼は、相変わらず笑顔だった。


24読者速。:2010/09/06(月) 01:11:16 ID:nG2T7v7AO

それは、笑顔と呼んでいいのか分からない、笑わない笑顔だった。

( ^^ω)「これはこれは」

( ^^ω)「一日に二度もいらっしゃるなんて珍しいですね」

( ^^ω)「また煙草ですか?」

私は屋台の貼り紙を眺めて言う。

(#゚;;-゚)「そこに書いてある、丹ってのを一つ頂戴」

一瞬店主の表情が曇るのを私は見逃さなかった。

やっぱりそうなのか。

( ^^ω)「ああ、それは倉庫にありまして……」

(#゚;;-゚)「待ってるから取ってきてよ」

( ^^ω)「あ、えと、在庫切れだったかも知れません」

(#゚;;-゚)「どう? これであるかどうか思い出した?」

私は人目も憚らずに、屋台を挟んで店主の頭に拳銃を突きつけた。

(; ^^ω)「ど、どうしたんですか! でぃさん落ち着いて!」


25読者速。:2010/09/06(月) 01:15:03 ID:nG2T7v7AO

なだめる店主を無視して、私は話し始める。

(#゚;;-゚)「一人の可哀想な少女がいたの」

(#゚;;-゚)「ある日買い物に出掛けていた彼女は、突然背後から目隠しをされて」

店主の顔は見る見る青ざめていく。私は続ける。

(#゚;;-゚)「どこかの廃ビルに連れ込まれた」

(#゚;;-゚)「そのあとは何があったか分かるでしょ?」

闇経血ゼリーの出所は、無理矢理奪われた経血ゼリーだ。

悲劇の少女の経血ゼリーはそうやって売られてゆく。

(; ^^ω)「クソッ!」

突然店主が屋台を押し倒した。そして転けそうになりながら逃げ出す。

ごちゃごちゃとなだれる商品を避け、私も追いかける。


26読者速。:2010/09/06(月) 01:18:17 ID:nG2T7v7AO

人混みに向かわず、そのまま後ろの廃ビルに逃げ込んでくれたのは幸いだ。

(#゚;;-゚)「……」

オートドアは開いたまま、止まっている。

注意深く入りこむと、ビルの内部は外見から想像出来ないほど荒れていた。

崩れかけの鉄柱の裏から声だけが聞こえる。

「ははっ! でぃさんよお、てめえの経血ゼリーも頂いてやるよお!」

頭に響くロックが邪魔をして、正確な位置が掴めない。
    Tragic youth was……

(#゚;;-゚)(くそっ! 集中するんだ!)

「いや、そんな傷だらけの女のは、誰も欲しがらないかもなぁあ」

     Now my sight is……
それでも、声のする方向方向に一歩ずつ進む。


27読者速。:2010/09/06(月) 01:25:10 ID:nG2T7v7AO

音楽と緊張で心臓が高鳴り、上下がひっくり返りそうな気分に襲われる。

私は逃げたくなった。

「あっはっははは」
   Da da da da da……

(#゚;;-゚)(落ち着くんだ!)

無理矢理経血ゼリーを奪われた少女のことを考える。

私は、私は逃げるわけにはいかない。

(#゚;;-゚)(あ……)

一瞬、音楽が止まった。曲が終わったのだ。

その静寂を破るかのように微かに、けれど確かに物音が聞こえた。

(#゚;;-゚)(すぐ後ろだ!)


28読者速。:2010/09/06(月) 01:33:49 ID:nG2T7v7AO

勢いよく振り返り、構えた拳銃を発砲する。

(; ^^ω)「ああっ……ぐ、」

確かに彼は後ろにいた。私の放った弾丸は、見事に彼の首を貫いていた。

(#゚;;-゚)(やった……)

だけど、彼は余りにも近くにいた。胸がじわじわと痛み出して、それが分かった。

見ると、ナイフが私の胸に突き刺さっていた。

(#゚;;-゚)(……)

(#゚;;-゚)(ペニサスさん、ごめんなさい……)

(#゚;;-゚)(もうお店、行けないや……)

彼は床に伏せたままだ。恐らく死んだ。

私はよろめきながら、少し離れた位置に座り込む。

(#゚;;-゚)「うっ……」

体が火照り、頭が燃えるように熱い。外の風を浴びたいが、もう一歩も歩けそうにない。


29読者速。:2010/09/06(月) 01:39:45 ID:nG2T7v7AO

割れるような音量でロックが流れている。

(#゚;;-゚)(この曲がラストナンバー、か……)

好きな曲を聴きながら死ねるのも幸せなのかも、と私は思った。

(#゚;;-゚)(ほんとは、もう少し生きていたかったけど)

痛みが段々と薄らいでいく。神経が麻痺しているだけかもしれない。

(#゚;;-゚)(好きな男に経血ゼリーすらあげれなかったな……)

(#゚;;-゚)(結局、そんな男は現れなかったけど)

(#゚;;-゚)「ふふっ」

次第に意識が閉じていくのを感じる。考えも上手くまとまらない。

(#゚;;-゚)「ばいばい、しぃちゃ……」

(#゚;;-゚)「」


頭の中では、私の知らない平和だった時代のロックがいつまでも流れていた。


30読者速。:2010/09/06(月) 01:46:29 ID:nG2T7v7AO



* * * * * *


砂粒大の何かが夕日を受けてキラキラと輝いている。

道路は完璧に舗装されているから、僕はすぐに分かった。

('A`)「何だろう?」

近づいて手に取ってみると、それは音楽の電子ライブラリのようだった。

雨や風にさらされて、所々傷付いている。

('A`)「埋め込むタイプのだ、古いなぁ」

('A`)「風に飛ばされてきたのかな?」

(*'A`)「もしかしたら、お宝かも!」

家に帰ったらパソコンに繋いでみよう。まだ聴けるかもしれない。

なんだか僕は楽しくなって、経血ゼリーが貰えない事もどうでもよくなった。


31読者速。:2010/09/06(月) 01:51:54 ID:nG2T7v7AO

('A`)「多分少し間違えていたんだ」

冷静になって、初めて僕は気付いた。

('A`)「たくさんあっても意味無いじゃないか」

ただ一つだけでも、好きな人の経血ゼリーが貰えればそれで充分なんだ。

そしてきっと、それが出来る世界は平和なんだ。

('A`)「……よし!」

(*'A`)「いつか、経血ゼリーの貰える男になるぞ!」

僕は家に向かって走り出した。

電子ライブラリをなくさないように、ギュッと握りしめて。




終わり


32 ◆nBapHd/hQc:2010/09/06(月) 01:57:21 ID:nG2T7v7AO

夜遅くまで投下に時間掛かってすみませんでした。

そして、三国志お疲れ様アンドありがとうございました!


[ 2010/09/07 20:50 ] 三国志Z作品 | TB(0) | CM(2)

20.('A`)最終決戦モララー城!のようです( ・∀・)

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:01:48.32 ID:GSNk52AdO
( ・∀・) たった一人になったとはいえ、よくここまで来たな

('A`) モララー……

( -∀-) その頑張りに敬意を表して素直に敗けを認めてやりたいところだが――――

('A`) モララー……?

   カッ
( ・∀・) 僕にも悪役の意地がある

('A`)そ モ、モララー!

( ・∀・) いくぞドクオ!

(#・∀・) この世に生まれてきたことを後悔するくらい惨めな最期を与えてやる!!

(#'A`) モララァァァァ!!



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:07:55.84 ID:GSNk52AdO
~1時間前 モララー城前~

川 ゚ -゚) 遂に来たな、魔王モララーを倒すこの日が

ξ゚⊿゚)ξ 私達のVIP村をモララーに滅ぼされてから10年。本当に長かったわ……

( ^ω^) でもこの長かった冒険の日々も今日で終わりを告げるんだお

川 ゚ -゚) 勝っても、負けても、な

(#`ω´) 負けないお!僕たちは伝説の勇者パーティー!絶対に勝つんだお!!

(#'A`) ウンウン


川 ゚ -゚) そうだな……、勝とう!私の全ての魔力をこの戦いに掛ける!!

ξ゚⊿゚)ξ ええ、勝ちましょう!神も祝福してくれています!

( ^ω^) ブーン百烈拳を身につけた僕の前に敵はないんだお!!

('A`) 行くぞ!勇者の力を見せてやる!!

『おお!!』



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:31:54.19 ID:GSNk52AdO
~同時刻 モララー城 食堂~

( ・∀・) ふぅ。いつも美味しいね。流石僕の従者たちだ

(゚、゚トソン お褒めにあずかり光栄です。皆にも伝えておきます、励みになりますので

( ・∀・) いよいよかな……

(゚、゚トソン 勇者、ですか?たしか同郷の方達と伺いましたが

( ・∀・) 弟みたいな奴らさ。昔から生意気でね

( -∀-) ふふっ。目をつぶれば、子供の頃の小憎らしい笑顔が浮かぶよ

(-、-トソン すみませんモララー様。我々のためにそんな方達と戦うことになってしまって……

(i、゚トソン でも……、それでも私達は、生きていたかったんです……。例え何かを犠牲にするしかないとしても……!

( ・∀・) わかってるよトソン……。それに正義はこちらにあるんだ

( ・∀・) 例え敗ける運命にあるとしても、死ぬ直前まで神に逆らい抗ってやるさ!

ミ,,;゚Д゚彡 モララー様!勇者です!勇者ドクオのパーティーが現れました!ただ今城前で戦闘中、門番の歯車王が劣勢とのことです!!

( ・∀・) 来たか……!フサ、皆を集めろ!指示を下す!

ミ,,゚Д゚彡 御意に!!

(゚、゚トソン モララー様……


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:46:33.37 ID:GSNk52AdO
~現在 玉座の間~

( ・∀・) フレイムアロー!

彡('A`) サッ

( ・∀・) 避けられるのは読んでたさ、お前は昔からすばしっこい奴だったからな……!



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:01:44.24 ID:GSNk52AdO
~30分前 モララー城 玉座の間 隣の掃除用具室~

ざわざわ……

      ざわ……

ミセ*゚ー゚)リ 城の中ざわついてる……、なんかあったのかな?

('、`*;川 大変大変!勇者が城内に侵入したらしいわ!

ミセ;*゚ー゚)リ えーっ!歯車王さんは!?やられちゃったの!?あの人渋くてちょっといいかなーなんて思ってたのにぃ!!

('、`*川 それで城内全員に対処するようモララー様から指示があったのよう

ミセ*゚ー゚)リ へー、掃除係長にもなると中間管理職っぷりが大変ねー……

ミセ;*゚ー゚)リ って、いやいやいや!私達ただの掃除係だから勇者の対処なんかできっこないよ!無理むりムリ!絶対無理!

('、`*川 おバカ!誰も戦えなんつってないでしょ?それぞれができることをすればいいのよ。例えば私達に出された指示は――――


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:19:36.20 ID:b5E9IrIB0
sie



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:24:56.05 ID:GSNk52AdO
~現在 玉座の間~

ヾ(;'A`)ノ"ジタバタ て、T箒が足に絡まって……

( ・∀・) 突然の直線的攻撃には75%の確率で右後方に避ける……。悪いが罠を用意させてもらったよ

(#・∀・) 喰らえ、メテオストライク!!

('A`)そ

ドッゴォォォォォォォォン

( つ∀・) やったか……?

三三三三(メ'A`)つ+―― シュバッ

(;メ・∀・) クッ!大宇宙の力を借りてもこの程度のダメージか……!化け物め!

('A`) ダメージならもう受けてる。だからもう痛くない!



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:41:04.47 ID:GSNk52AdO
~45分前 モララー城 門前~

|::━◎┥ 私をここまで追い詰めるとは、流石だな勇者!

('A`)=3

川メ゚ q゚) はぁはぁ……、もう、少しだな……

ξ#"⊿゚)ξ わからない……。神の声が聴こえない?そんな、私はもう……

(##ω##) 負けないお!残された左の小指でもブーン百烈拳は打てるんだお……!

|::━◎┥ 私もモララー様から門番という大役を任された身だ!このまま貴様らを無事に通すわけにはいかん!

|::━◎┥ 喰らえ!今!必殺の――――

|::━◎┥ メガンテ!!

('A`) あ……


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:55:15.34 ID:GSNk52AdO
('A`) あ……

。:゚∴ q゚) あ……

。:゚∴⊿゚)ξ あ……

。:゚∴ ##) あ……

。:゚∴◎┥ モララー様、万z……

( A ) う……

(;A;) うわあああああああああああああああああああああああ!!!!




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:57:37.24 ID:9TjQTVCC0
モララーはカリスマイケメンってイメージしか無い


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:05:00.01 ID:GSNk52AdO
~現在 玉座の間~

('A`) 身体なんて痛くない

('A`) 痛いのは、心!!

( ・∀・) 心か……。随分と人間らしいことを言うじゃないか。流石は勇者様だ

三( ・∀・)つ╋―― だがな!貴様らが言う心の為に踏みにじられてきたもの達がいることを知っているか!?


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:10:29.41 ID:GSNk52AdO
         キーン
( ・∀・)つ╋―― ――+⊂('A`)

  _,ググッ
((('A`)つ+―― 剣なら、敗けない……!

(;・∀・))) クッ……

(  ∀ ) 僕だって敗けられない……

(;・∀・)つ╋―― この戦いは絶対に敗けられないんだああああ!!!!


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:16:36.15 ID:GSNk52AdO
~10年前 VIP村~

( ・∀・) はいーしドードー。はいドードー

(;-∀-) 親父から牧場を譲り受けたけど、コイツら中々言うこと聞いてくれないなあ……

(;・∀・)そ ああっ!だめだよ!そっちの森は狼が出るって言う噂だから!

三三(;・∀・) ああもうっ!みんなしてっ!待ってー!!


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:32:54.43 ID:GSNk52AdO
( ・∀・) ん?お前達どうしたの?一ヶ所に集まって。危ないから早く帰ろうよ

( ・∀・) あれ?なに持ってるの?本かな?

( ・∀・) うわー。ふるいね。古代ニンゲン語かな?

(*・∀・)=3 こんなときもあろうかと!古代ニンゲン語も学校で勉強していた僕なのでした!

( ・∀・) ほんとは『まんが』ってやつをよみたかったからなんだけどね~。ってええとなになに……
( ・∀・)そ

(; ∀ ) そ、そんな……。まさか……

(; ∀ ) ここに書いてある事が正しいとしたら、僕達は……。そしてニンゲンは……。

(  ∀ ) お前達、これを僕に見せたかったんだね?

(  ∀ ) ごめん、少し考えさせておくれ

(  ∀ ) だから――

『帰ろうよ、トソン』


<
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:43:05.12 ID:GSNk52AdO
(#・∀・) 僕しかあいつらを理解してやれない!

(#・∀・) 僕しかあいつらを守ってやれない!

(#・∀・) 偽りの神を盲目的に信じる貴様にっ!神にカラダを弄られて勇者と呼ばれていい気になっている貴様なんかにっ!

(#・∀・) 生身の身体を持つものの代表者としての『魔王』の力が敗けるわけにはいかないんだあああああ!!!

('A`)そ


25 :空気作者支援連合組織総合案内所高速機動隊SAKK ◆peQRS9GSUM :2010/09/06(月) 02:45:34.51 ID:QZjjwSst0
おら!!!!!!しえんだこのやろう!!!!!!!!!!!!!!


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:48:28.16 ID:GSNk52AdO

             シュバッ
          ――+⊂('A`)  三三三(#・∀・)つ╋――


('A`) あ……

('A`) ああ……

::(((゚A゚))):: ああアアアアアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙

( A ) ア゙……

( A )

(;・∀・)ハァハァ

( A )

(;・∀・) 止まった、のか……?



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 03:00:19.29 ID:GSNk52AdO
   フラフラ
(;-∀-)~ や、やった……

(*・∀・)ノそ やったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

(*・∀・) やった!やったぞ!最終機械兵器『勇者』をやっつけたぞ!!

ヾ(・∀・*彡*・∀・)ノ" ねえトソン!フサ!ミセリにペニサス!どこ!?僕ついにやったよ!

( ・∀・) 生身のニンゲンの解放を求めてから10年!

( ・∀・) ついに戦いに勝ったんだよ……

( ・∀・) みん……な……?

( ・∀・)

( ・∀・)

( ・∀・)

( ・∀・)



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 03:17:05.76 ID:GSNk52AdO
西暦3025年。


悪化した惑星環境から身を守るため、人類は機械化の道を選んだ。

だが一部の貧困な人々は機械化の費用を負担できず、生身の身体で生きる道を選ぶ。

当初、両者は共存していたが、機械化人類に致命的かつ運命的な欠陥が確認されてから、両者の関係は一変する。

欠陥とは即ち生体部品の早期劣化と枯渇。

れを求める機械化人類が、『ニンゲン』とよばれる生身の人類を狩り、
そして手元で効率的に増やして良質の部品を得るために牧場を作るようになった。




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 03:33:26.61 ID:GSNk52AdO
時折、反乱を起こす『ニンゲン』や、『ニンゲン』の権利を主張すり機械化人類が現れたが、
これに対抗するため『ニンゲン』を管理する組織『神』が結成された。

『神』は、より効率的に部品を得るために、まず機械化人類の主要言語を機械語にし、『ニンゲン』の言語と分けた。

古代の宗教を参考にしたらしいこの行いは功を奏し、互いの意志疎通を阻害して異質なものと認識させることに成功した。

『ニンゲン』の味方をする機械化人類は激減したが、まだ『ニンゲン』の反乱は続いていた。
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 03:42:18.23 ID:GSNk52AdO
これに対して『神』は反乱鎮圧のための兵器を開発。

古代の遊びになぞらえ、ランク順に『魔法使い』『僧侶』『武道家』などと命名。
最も強力な殺戮兵器は『勇者』と名付けられた。

一時期、機械化人類の間では反乱鎮圧兵器にチューンしてもらうことが流行ることがあったが、
現在では道徳的観点から、特別な事情がある場合のみ長期間の講習を受けたのちに限り、
チューンの認可がおりることとなった。



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 03:53:47.02 ID:GSNk52AdO
~現在 モララー城前~

(  ∀ ) わかっていたさ、こうなるってことは……

(  ∀ ) 10年前、『ニンゲン』の言語を理解して、彼等にも僕たちと同じように心があるってわかった

(  ∀ ) だから僕は彼等の主として、彼等の権利を主張したんだ

(  ∀ ) 異端なのも分かってた

ザッザッザッ

(  ∀ ) でもいきなり『魔王』に認定して村に兵器をけしかけるなんて……!

ザッザッザッ ザッザッザッ

( ;∀;) そこまで、そこまで僕たち機械化人類は、人の心を、亡くして……



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 04:03:48.87 ID:GSNk52AdO
ザッザッザッ ザッザッザッ ザッザッザッ

ミ,;"Д゚彡 モララー様!お逃げください!もう我々のは無理です!

('q;*川 モララー様が生きてさえいれば!私たちは……、ぐガッ!

ミセ*;ー##)リ モララー様ぁ……。い゙だイ゙よぉ……
(#;∀;) フサ!ペニサス!ミセリ!待ってろ今助けに行くから!!

(゚、゚トソン

ザッザッザッ ザッザッザッ ザッザッザッ

( ;∀;) トソン……?




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 04:10:07.00 ID:GSNk52AdO
ザッザッザッ ザッザッザッ ザッザッザッ

( 、 トソン

( ・∀・) トソン、頸が……

ザッザッザッ ザッザッザッ ザッザッザッ

( ;∀;) うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

ザッザッザッ ザッザッザッ ザッザッザッ

         ('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)         
      ('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)     
   ('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)   
('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)






[ 2010/09/07 20:48 ] 三国志Z作品 | TB(0) | CM(0)

19.(*゚∀゚)は花を育てるようです

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:39:00.57 ID:Q4siJ6UWO
.


暗紅色の太陽が、雲の切れ間から顔を覗かせた。




(*゚∀゚)「ん……」


強く、己の命を撒き散らすその光は、彼女―――つーの目を焦がす。

つーは右の掌を、自分と太陽の間に置いた。

手が太陽に照らされて、赤く透けて見えた。
彼女の赤い髪も、光を得てキラキラと輝いている。


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:40:56.93 ID:Q4siJ6UWO
しかし、それも束の間。
再び太陽は厚い雲に包まれてしまう。



大地が、色を消した。




(*゚∀゚)「うん。太陽とのにらめっこに勝利、と」


呟いて、太陽に背を向け歩き出す。

鳥も、虫の声も聞こえないその大地を、彼女は進んだ。



ただ一つ、彼女が身につけている鎧が擦れる音だけが、その場に鳴り響いていた。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:42:57.52 ID:Q4siJ6UWO
.


ジニア暦(以下、Z.Aと称す)113年。


世界は類を見ない程の大寒波に襲われる。


それにより食物の生産が激減したのはもちろん、
降り積もる雪によって道が塞がり、交易にも多大な影響を与えた。




北の大国である『ラウンジ帝国』も例に漏れず、経済面に尋常ではない程の被害を受けた。


国中の備蓄を用いて、かろうじてその大災害を乗り越える事は出来たものの、
将来もう一度、このような危機が訪れたら国が滅ぶかもしれない、
と危惧した当時の皇帝であるラウンジ五世は、ある決断をする。


その決断とは、ラウンジ帝国の南に位置する小国、『VIP国』を攻め落とすというものである。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:45:15.70 ID:Q4siJ6UWO
攻める理由の一つは、VIP国のさらに南にある『ニュー速地帯』の存在である。


このニュー速地帯は、“神が住む大地”と呼ばれ、
あらゆる国の支配を受けない中立の土地だ。


南国の暖かな気候と豊富な水源により、
唯一先の大寒波の影響を受けなかった場所でもある。


皇帝はそのニュー速地帯に目をつけた。


神の土地なので、そこを我が物とする事は出来ないが、
近くにいればその恩恵を頂く事は出来る。
ここならば、もう一度大寒波が到来しても耐えられるであろう。


そのためには、ラウンジ帝国とニュー速地帯との間にあるVIP国が邪魔なのである。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:46:57.07 ID:Q4siJ6UWO
そして理由のもう一つとして、VIP国が近年
その力を急激に増してきているというのが挙げられる。


今までVIP国は細々とその生を繋いでいるだけの弱小国であった。
が、今代の王か余程の腕利きなのか、国力を右肩上がりにしているのだ。


これを放置していたら、いずれはラウンジ帝国に
迫る程の力を手に入れるかもしれない。


故に、今の内に目を摘んでおく。


それがラウンジ五世の決断であった。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:49:22.71 ID:Q4siJ6UWO
Z.A 115年。


ラウンジ帝国はVIP国に宣戦布告を言い渡した。


ラウンジ帝国の兵が3万9200であるのに対し、VIP国は1万3800。
実に三倍近い差である。


いくらVIP国が力をつけてきたと言っても、大国であるラウンジ帝国には遠く及ばない。
ラウンジ帝国の勝利は誰の目から見ても明らかだった。


だが、宣戦布告からほんの三日後に、誰もが予想だにしていなかった事態が起こった。


VIP国の東に位置する『シベリア国』が、VIP国と統合してしまったのだ。


どうやら今まで秘密裏に話を進めていたのを、
ラウンジ帝国の布告を皮切りに一気に纏め上げたようだった。


これにより誕生した『VIP・シベリア連合国』の兵力は3万8100。
大国ラウンジ帝国と肩を並べる程の力を有する国となった。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:51:20.40 ID:Q4siJ6UWO
.




始めはラウンジ帝国の圧勝で幕を閉じる筈だったこの戦い。


それは第三の勢力、そして新たな国の誕生により。


両国は、一万の朝と夜を繰り返しても尚、争い続ける事となる。




ジニア暦を代表する大戦となったこの戦い。




“七十七年戦争”と後に呼ばれた戦いが、幕を開けた。




.


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:52:57.43 ID:Q4siJ6UWO
.




(*゚∀゚)は花を育てるようです





.


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:55:21.54 ID:Q4siJ6UWO
(*゚∀゚)「フサギコー。入るよー」


つーは幾つか並んでいる簡易テントの内の一つに入る。
武器や雑貨、そして少々の熱気がある内部には、一人の大柄な男が椅子に座っていた。


ミ,,゚Д゚彡「やあ、つー。どうかしたかい?」


机に広げられた地図から目を離し、つーに笑いかけるフサギコと呼ばれた男。
彼の金色で長めの髪が、ふわりと宙に揺れていた。


(*゚∀゚)「いーや、別に何も。アタシの友人の顔を見に来ただけさね」

ミ,,^Д^彡「ハハハ、それはどうも。何か飲む?」


フサギコは椅子から立ち上がり、手慣れた様子でコンロに火をかけた。


(*゚∀゚)「アールグレイでよろしくっ」

ミ,,゚Д゚彡「好きだね、紅茶。つーの体の中、紅茶でパンパンなんじゃない?」

(*゚∀゚)「紅茶の海で溺れ死ぬなら本望だね」

ミ,,^Д^彡「ハハハ」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:57:18.24 ID:Q4siJ6UWO
金属で出来た質素なコップに、フサギコが紅茶を二人分注ぐ。


ミ,,゚Д゚彡「はい、どうぞ」

(*゚∀゚)「ありがと」


しばし紅茶の味を楽しむ二人。
柑橘系の香りがテント内を満たしていた。




(*゚∀゚)「それにしても、アレだね」

ミ,,゚Д゚彡「アレって?」

(*゚∀゚)「戦争。まさか、アタシ達の代で終わるとは、ね」




今はZ.A 191年。
戦争が始まってから実に76年もの年月が経過していたが、
いよいよもって戦争は終わりに近付いていた。



つー達の国、VIP・シベリア連合国の勝利によって。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:58:57.18 ID:Q4siJ6UWO
ミ,,゚Д゚彡「……うん、そうだね。ここ二年でかなり戦局が動いたからね」


Z.A 189年。
ラウンジ帝国で内乱が発生した。


革命軍と名乗った2000人程の彼らは、帝国内でゲリラ戦を繰り返し起こした。


とはいえ、その規模は小さいもの。帝国軍に大きな傷を与えるほどでは無かった。


しかし、その行為は彼らの存在を帝国に知らしめた。同時に、VIP・シベリア連合国の方にも。


そして彼ら革命軍は、連合国との秘密裏の会談に持ち込めた。
これこそが、革命軍の目的だった。



18 : ◆Uxfj98URO6 :2010/09/06(月) 00:01:22.97 ID:rsNApiHmO
革命軍が連合国に申し込んだ内容は次の通りである。


「この戦争は貴国の勝利によって終焉を迎え、帝国は貴国の属国となるであろう。
 だがその際、国民に圧政を敷く事を無く、また、
 国の統治を我らが示す人物に全権を任せて頂きたい」


これはつまり、属国の即時独立―――言ってみれば、
今までの戦争を無かった事にしてもらいたいという申し出であった。


無論、この要求を飲ませるには見返りが必要である。
そこで、革命軍が切るカードは二枚。


一枚は、帝国にいる全貴族の資産から新政権に必要な費用を抜いた
全額の献上(ただし、最小でも全資産の50%は確約)である。


帝国は貴族中心の政治を行っていたため、国民の大半は貴族を嫌っていた。


よって革命軍は、貴族の存在を不要とする新政権を推奨したために、
このような取り決めがなされたのだ。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:03:06.19 ID:rsNApiHmO
そして二枚目は―――









「我ら革命軍が、帝国の現皇帝、ラウンジ八世を暗殺します」








Z.A 190年。

革命軍がラウンジ八世の暗殺に成功した。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:05:06.41 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「―――あの暗殺からの帝国の転落っぷりは、かなりのモンだったね」


皇帝が暗殺された事が帝国内に広がると、国中が混乱の渦に巻かれた。


その混乱が一番顕著に表れたのは国民だ。


長く続いている戦争。貴族を潤すための重税。国民は貧困に喘いでいた。
彼らの多くは革命軍と同様に帝国に不満を持っていたのだ。


だが革命軍のように表立って逆らおうとはしない。軍による報復が怖いから。
彼らに出来る事と言えば、酒場で安い酒を飲みながら愚痴をこぼすのが精々だった。


だが、帝国の頂点である皇帝が暗殺された。
その事実は、この国はもう長くないと、国民の誰もがそう思わせるには充分な出来事であった。



結果、帝国内の至る所で国民の暴動が起こったのは、至極当然であったと言えるだろう。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:06:57.88 ID:rsNApiHmO
混乱したのは国民だけではない。軍もまた同様に混乱し、内部分裂が起こっていた。


そう、多くの兵士もこの国が長くない事を理解していたのだ。
そして帝国の兵である自分も、遠くない将来に無残に命を散らすであろう事を。


故に多くの兵は投降した。彼らは滅び行く母国よりも、自らの明日を選択した。



しかしその一方で、地に手を付かずに最後まで反抗しようとする兵もいた。
彼らは一般兵とは一線を画した、貴族直属のエリート兵であった。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:09:00.47 ID:rsNApiHmO
民は国が変わっても民でいられる。
一般兵は投降したとしても、それなりの暮らしは保証される。


だが、彼らは?
貴族の恩恵を受け、一般兵とは雲泥の差の暮らしをしていた彼らは?


次の政治では貴族は抹消される。
だから彼らはエリートでも何でもなくなる。


一般兵と同様に敵国へ投降すれば命は助かる。しかしその後に待っているのは並以下の日々だ。
甘い汁を啜っていた彼らにとって、そんな人生は耐えられない。


だから彼らは反抗する。可能性が低くとも、今までの地位を維持するために。



例えその可能性とやらが、限りなくゼロに近いモノであったとしても。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:10:57.93 ID:rsNApiHmO
ミ,,゚Д゚彡「貴族直属兵2200人と、投降する事を潔しとしなかった一般兵1300人。
      この3500人が僕達の最終的な敵になった」


3500人。
大陸にその名を轟かせた大国の歴戦の勇者達。
いまやその名声は、寂れ、伏した。



(*゚∀゚)「そしてアタシ達は帝国の残党を狩りつつ今に至る、と。
     いやはや、歴史のお勉強、為になりましたです」


授業が終わり、先生に礼をする生徒のように、つーが頭をぺこりと下げる。
フサギコは苦笑しながら、人差し指で頬を掻いた。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:13:05.23 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「ま、過去の話は置いといて今の話をしようか」


つーは先程フサギコが見ていた地図に目を落とす。


(*゚∀゚)「どう? それっぽいとこ見つかった?」


尋ねられたフサギコは、紅茶を一口啜ると、地図をつーの方に向けて話し出した。


ミ,,゚Д゚彡「うん。確率が高いのは、ここから東に15kmの平野部と、北西17kmの湿地帯の二つだね」

(*゚∀゚)「ふむふむ。そこに―――」

ミ,,゚Д゚彡「帝国の残党がいるかもしれない」


簡易テントがガタガタと音を鳴らし、揺れる。
どうやら強い風が吹いたらしい。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:15:01.15 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「となると、部隊を二つに分ける訳だね。アタシとフサギコ、どっちがどっちに行くの?」

ミ,,゚Д゚彡「そうだね……。湿地帯はぬかるみが多くて、馬の足が取られる。
      歩兵が多いつーの部隊に湿地帯に行ってもらおうかな」

(*゚∀゚)「あらやだ。レディーをそんな汚れそうなところに行かせるなんて、
     紳士としての配慮が足りませんわよ?」

ミ,,^Д^彡「ハハハ。つーは泥だらけになって遊んでいる方が似合っているよ」

(*゚∀゚)「さりげにひどい!」

ミ,,^Д^彡「まあまあ。僕はドレスで着飾るよりも、そっちの方のつーが好きだよ」

(*゚∀゚)「フサギコに好かれてもなぁ……。ま、いいや。
     しょうがないから湿地帯はアタシが行ってあげるよ」

ミ,,^Д^彡「うん。ありがとう」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:17:26.19 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「で、出発はいつだい?」

ミ,,゚Д゚彡「うん。今、本国に連絡用の馬を走らせてるから、
      彼が帰ってきたら僕の部隊が先に平野部に行こう。
      つー達は明日の早朝に湿地帯へ行ってくれ」

(*゚∀゚)「りょーかい。その連絡用の馬は、後どれくらいで戻ってくる?」

ミ,,゚Д゚彡「何もトラブルが無ければ、30分くらいかな」

(*゚∀゚)「ん。じゃあ後30分は我が友とおしゃべり出来るってわけだね」

ミ,,^Д^彡「うん、そうだね。お付き合いさせていただきます」


フサギコは席を立ち、空になった二つのカップに再び紅茶を注いだ。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:17:51.95 ID:jUsMlGoq0
未だにタイトルを予感させる展開が見えてこないな
どうなるんだろう


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:18:57.05 ID:M8G+Db5E0
支援


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:19:08.93 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「で、さぁ……。さっきの話の続きになるんだけど」


つーは二杯目となる紅茶に口を付けつつ話す。


ミ,,゚Д゚彡「うん?」

(*゚∀゚)「戦争、終わるじゃん」

ミ,,゚Д゚彡「そうだね。多分、来年には完全に収まると思う」

(*゚∀゚)「って事は、アタシ達は兵士で無くなるって事じゃん?」

ミ,,゚Д゚彡「まあそうだね。僕達は只の志願兵だったからね。
      戦争が終われば、兵の役目は降ろされる」

(*゚∀゚)「戦争が終わって……、兵じゃなくなったら……。フサギコは何をするの?」


問われた内容は己の未来。
フサギコは軽く腕を組んで虚空を見つめる。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:21:10.66 ID:rsNApiHmO
ミ,,゚Д゚彡「戦争が終わった後の事か……。そう言えば、考えてなかったな」

(*゚∀゚)「フサギコは戦争の事しか考えてないからね」

ミ;゚Д゚彡「ちょっとちょっと、人を危険人物みたいに言わないでくれる?」

(*゚∀゚)「えー、間違った事は言ってないじゃん」

ミ;-Д-彡「あのね、僕はどうやったら戦いを終わらせられるかとか、
      味方の被害を最小限に抑える為にはどうしたらいいかとか……」

(*-∀-)「敵兵を如何にしてブチ殺すかとか……、
     どうやったら捕虜の苦しみ叫ぶ声が聞けるのかとか……」

ミ;゚Д゚彡「こ、こら! 物騒な継ぎ足ししない!」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ!!」

ミ;゚Д゚彡「まったく……。とにかく、今の事が忙しかったから、
      未来の事なんて思いもしてなかったよ」

(*゚∀゚)「フサギコ君は生真面目だからねー。じゃ、今この時間を使ってチャッチャと考えなさい」

ミ,,゚Д゚彡「え? うーんそうだなぁ……」


そう言って、うんうん唸っているフサギコを愉快そうに眺めながら、
それを肴につーは紅茶の味を楽しんだ。


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:21:40.79 ID:QZjjwSst0
ちかたんかっこわらいか?


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:22:58.65 ID:jUsMlGoq0
戦争がもうすぐ終わるって時に未来の話ってフラg(ry


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:22:57.60 ID:rsNApiHmO
つーが三杯目の紅茶を注ぎ終わると、ようやくフサギコが彼女の方を見た。


ミ,,゚Д゚彡「決めた! 決めたよ、つー!!」

(*゚∀゚)「おうおう。たっぷりと悩んだじゃない。それじゃ聞こうか。
     フサギコ、アンタは何をするの?」

ミ,,゚Д゚彡「ああ、つー! 僕は―――」


意気揚々、少年のような輝かしい笑みを浮かべながら、フサギコは高らかに宣言した。




.


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:24:58.18 ID:rsNApiHmO
.







ミ,,゚Д゚彡「僕は、保父さんになるよ!」







.


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:26:13.77 ID:jUsMlGoq0
なんという平和


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:27:06.08 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「…………」

ミ;゚Д゚彡「あ、あれ? どうしたの? 何か言ってよ」

(*゚∀゚)「…………ヒャ」

ミ,,゚Д゚彡「ひゃ?」





(*;∀;)「ア―――ッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!!」

ミ;゚Д゚彡「う、うわっ! なに!?」

(*;∀;)「ヒャッヒャッヒャ……、ほ、保父、ヒャ、
      ほふさんだってさっ……、ヒャッヒャッヒャ!!」

ミ;゚Д゚彡「え、ちょっ……、うええ!? 泣くほど可笑しいの!?」

(*つ∀;)「いやー……、グスッ、無いわー。有り得ないわー。
      ル○ージが主役のゲームが発売されるくらいに有り得ないわー」

ミ;゚Д゚彡「そ、そんなに!? ていうかル○ージマンションがあるからね!?」

(*つ∀;)「そんなモンは知らん。とにかく、有り得ないのだ」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:29:01.91 ID:rsNApiHmO
つーの大爆笑に、目に見えてうろたえるフサギコ。
今となっては、100点満点の笑顔で夢を叫んだ過去の自分がエラく恥ずかしい。


ミ;゚Д゚彡「り、理由を! 何故有り得ないのか理由をお願いします!」

(*゚∀゚)「いや、お前そんな2メートル近い体で、筋骨隆々で、
     そんな厳つい顔してたら子供怯えてショック死するわ」

ミ;゚Д゚彡「酷い言われようだ! つーか急に真顔に戻らないで!
      『本当に有り得んわコイツ……』みたいな顔するの止めて!」

(*゚∀゚) ホントウニアリエンワコイツ…

ミ,,;Д;彡「小さい声で言わないで! 胸が痛い! 胸が痛いから!」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャー。たーのしーいなー」

ミ,,;Д;彡「魔女だ……。つーは魔女だよ……」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:29:56.57 ID:jUsMlGoq0
ル○ージwwww


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:31:01.74 ID:rsNApiHmO
ガックリと肩を落とすフサギコの姿を永久保存したいなーと思うつーは、
改めて彼に聞いてみる事にした。


(*゚∀゚)「まあまあ、顔を上げなよフサギコ。
     君が保父さんになりたいと思った理由を聞こうじゃないか」

ミ,,゚Д゚彡「うう……」

(*゚∀゚)「例えそれがどんなに似合っていないというのをね、
     本人がこれっぽっちも理解していなかったとしても、
     アタシは君の友人として真摯に聞いてあげないといけないんだ。
     そしてそれを聞いたら、悪いことは言わないから諦めろ、と優しく肩を叩くのもまた、
     友人であるアタシの役割なんだよ。だから言え。さあ言え」

ミ,,゚Д゚彡「……僕は何故君の友人なのだろうかと、今もの凄く疑問に思っているよ」

(*゚∀゚)「愚問だね。友情に理由なんていらないのさ。さあ言え。はやく言え」

ミ;-Д-彡「はぁ……。判った、判ったよ。言う。言うから……」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:33:00.30 ID:rsNApiHmO
フサギコは一つ大きな溜め息をつくと、穏やかな顔で話し始めた。


ミ,,゚Д゚彡「僕はね、子供が好きなんだよ」

(*゚∀゚)「ぶふっ」

ミ,,゚Д゚彡「……これ以上笑ったら絶対話さないからね」

(*゚∀゚)「ああ、ああ。判った判った。もう邪魔しないから思う存分話しなさい」

ミ,,゚Д゚彡「まったく……。それでさ、僕は子供達に伝えたいんだ」

(*゚∀゚)「ほうほう。なにを?」

ミ,,゚Д゚彡「……僕は戦争で多くの人を殺めた。
      別にその事について今更何か弁明しようとは思わない。
      相手だって、僕を殺す気で来ていた訳だし、僕だって死んでやる訳にはいかない。
      彼らだって戦場に立っていたんだから、死ぬ覚悟は出来ていたはずだ」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:35:25.11 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「…………」


つーは黙って彼の話を―――いや、彼の苦悩を聞く。


ミ,,゚Д゚彡「でも、彼らは覚悟出来ていたとしても、彼らの親しい人はどうだろうか?
      彼らの家族や、恋人や、友人達は彼らの死を
      何でもない事のように受け止められるのだろうか。
      そんなはずはない。彼らの親しい人達は、彼らの訃報を聞いて涙を流したはずだ」

ミ,,゚Д゚彡「僕が一人殺せば数人、数十人の涙が流れる。
      もちろん戦場では僕も必死だからそんな事は考えない。
      だけど戦いが終わって、倒れる敵国の兵の姿を見て―――。
      ああ、今日僕はどれほどの人に涙を流させたのだろう、と。
      僕は、とても悲しい気分になるんだ」


フサギコは目を閉じる。
その暗闇が映し出す光景は、彼に何を思わせているのだろうか。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:35:33.94 ID:jUsMlGoq0
もう駄目だフラグにしか見えない


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:37:29.83 ID:rsNApiHmO
ミ,,゚Д゚彡「戦争は悲しいものだ。国は何かを得ようとして戦争をするのだろうけど、
      その対価として人々は相応の―――いや、それ以上の悲しみを背負うんだ。
      だから僕は子供達に伝えたい。戦争が産み出す悲しみというモノを。その涙を。
      未来に生きる子供達に知ってもらいたい」

ミ,,゚Д゚彡「これが、僕が保父さんになりたい理由さ」


フサギコの話が終わる。
彼は、渇いた喉を潤すために、冷めた紅茶を口に含んだ。

つーは話が終わってもしばらく黙っていたが、やがて口を開き自分の意見を語る。


(*゚∀゚)「……うん。そうだね。私達のような戦争をやってきた人間は、
     戦争を知らない人間に教える義務がある。
     そして願わくば、その知識を以て戦争の無常さを理解し、
     戦争を経験しない人生を送ってもらいたいもんだね。
     子供達も、孫達も、それから先の世代も」

ミ,,゚Д゚彡「うん。そう、そうなんだ。僕はそんな世の中にしたいんだ。
      僕一人の力じゃたかがしれてるけど、それでも出来る限りの事はしていきたい」

(*゚∀゚)「そう。まあアンタがそれをしたいと言うんなら、アタシは背中を押すだけさ」

ミ,,^Д^彡「うん。ありがとう、つー」


朗らかに笑うフサギコ。
彼の目は、子供達が笑顔で過ごす未来を見ていた。

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47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:39:03.18 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「で、だね。それはそれとして……」

ミ,,゚Д゚彡「うん?」





(*゚∀゚)「そんな重っ苦しい話ばかりしてたら子供に好かれないよ?
     ただでさえ近寄りがたい風貌してんだから」

ミ;゚Д゚彡「うぐっ! き、君は最後までホント……」

(*゚∀゚)「アヒャヒャ、でも事実だよー。子供にはもっと明るくて楽しいお話をしてあげないと」

ミ;゚Д゚彡「ま、まあそうなんだけど……。ああ! もういいよ僕の話は!
      つーは? つーはどうしたいの!?」

(*゚∀゚)「ん、アタシ? アタシはそうだなー。
     お母さんが小料理屋やってたし、アタシも何か店でもしようかなー、っと」


つーはそう言いながら、テント内をキョロキョロと見回している。
新しい話のネタになるものを探していたのだ。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:40:58.45 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「ん? これ……」


彼女の目に止まった置物。
それはレンガ色をした一つの小鉢だった。
小鉢の中には土が盛られ、中央には小さな芽が顔を覗かせていた。


ミ,,゚Д゚彡「ああ、それね。ようやく芽が出たんだ」


顔を綻ばせてフサギコは語る。

あの芽は、前回の遠征でとある村を警備した時。
そこの村の子供から、守ってくれたお礼に、と貰った種を育てたモノであった。


(*゚∀゚)「ああ、あの時の……。律儀に育てちゃった訳ね」

ミ,,゚Д゚彡「せっかくの好意を無碍には出来ないしね。
      それにいざ育ててみると、これが意外に楽しいんだ」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:43:10.19 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「……子供大好きで植物育てるのが趣味。こんな熊のような大男が……」

ミ;゚Д゚彡「別にいいじゃないか」

(*゚∀゚)「敵国の兵士からは『金獅子』の通り名で恐れられてる男が、
     実はロリコンの植物マニア……」

ミ;゚Д゚彡「止めてよ、その名前恥ずかしいんだから……。
      てゆーかロリコンの植物マニアってなに!?」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ♪」


つーがからかい、フサギコはうろたえる。
そんないつもの二人の間に、一人の兵がやってきた。


ミ,,゚Д゚彡「ああ、帰ってきたか。ご苦労さん」


その兵は先程フサギコが話していた、本国に連絡に行った兵であった。
彼とフサギコは二言三言交わし、そして兵はフサギコに敬礼をしてテントから出て行った。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:45:18.36 ID:rsNApiHmO
ミ,,゚Д゚彡「さて。じゃあ僕達は行く事にするよ。そっちは頼んだよ、つー」

(*゚∀゚)「あいあいさー」


つーはおどけながら敬礼し、テントを後にしようとする。
だが、フサギコは「あ」と何かを思い出したように声を上げ、つーを引き止めた。


(*゚∀゚)「ん、なに?」


フサギコに背を向けていたつーが振り返ると、彼は先程の小鉢を手に持っていた。


ミ,,゚Д゚彡「つー、頼みがあるんだけどさ。こいつを預かって貰えないかな?」

(*゚∀゚)「えー? なんで?」

ミ,,゚Д゚彡「ほら、今から僕が行く平野部なんだけど、地図を見ると近くに川とかが無いんだよ。
      村は有るみたいだけど。こいつに与える水が無いと困るからさ。
      つーが持っててくれないかな。つーの行く場所は
      湿地帯だから水場は沢山あると思うし」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:45:23.64 ID:jUsMlGoq0
フサギコがいい奴過ぎて自分がみじめに思えてくる


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:47:07.86 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「えーメンドクサーイ」

ミ,,゚Д゚彡「まあまあそう言わずに。この埋め合わせはキチンとするからさ」

(*゚∀゚)「うー。安くないよ?」


つーは小言を言いながらも小鉢を受け取る。


(*゚∀゚)「……あー。でもさ、これってさー」


つーはふと、頭に浮かんだ事を口に出してみる。


ミ,,゚Д゚彡「ん? どうかした?」



(*゚∀゚)「……死亡フラグっぽくね?」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:48:59.68 ID:rsNApiHmO
ミ;゚Д゚彡「ぶっ!!!」

(*゚∀゚)「『この戦争が終わったら○○するんだ』とか
     『これを預かっといてくれ。後でちゃんと返せよ』とか。うっわ、完璧じゃん」

ミ# Д 彡「き、君は……。今から出発しようとしている人に何という事を……」

(*゚∀゚)「…………」

(*>∀<)b「安心して! この子は私がちゃんと育てるわ!」

ミ#゚Д゚彡「出てけ――――っ!!!」


フサギコに怒鳴られたつーはケラケラと笑いながら退散する。
そんな彼女を見て、フサギコは頭痛を払うように頭を振った。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:50:57.01 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「あ、最後に聞いておく」


すると、もうこの場を去ったと思っていたつーが、顔だけをフサギコに見せて尋ねてきた。


(*゚∀゚)「これってなんていう種類? なにが生えるの?」


預かった小鉢を見せつつ彼女は言った。


ミ,,゚Д゚彡「……知らない」

(*゚∀゚)「むくれるなよぅ。アタシが悪かったってば」

ミ,,゚Д゚彡「いや、別に……。本当に知らないんだ」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:51:03.89 ID:jUsMlGoq0
やっぱそう思うわなww


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:53:03.70 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「なに? 呆れたね。何が出るかも判らないのに育ててたの?」

ミ,,゚Д゚彡「しょ、しょうがないだろ。種を見ただけで
      何の種類が判るほど、僕は植物に詳しくないよ」

(*゚∀゚)「ふむ。まあいいか。何が咲くかお楽しみ、って感じて育てるのもいいかもね」

ミ,,゚Д゚彡「かも、ね」

(*゚∀゚)「でも花が開くまでにはちゃんと受け取ってよね」

ミ,,^Д^彡「ははっ、そうだね」

(*゚∀゚)「ん。じゃあまたね」


言って、つーは今度こそテントを離れ、見送ったフサギコは出発の準備を進めた。



それから少しして、フサギコが率いる部隊は東の平野部へと移動していった。


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:55:12.48 ID:rsNApiHmO
.


フサギコ達が出発してから数時間後。
つーは紅く色付こうとする太陽を眺めていた。

そんな彼女に、見張りの兵が声をかける。


「隊長、暇なんですか?」

(*゚∀゚)「いや、暇じゃない。忙しい。夕日に変化していく太陽を見るのに忙しい」

「暇なんじゃないですか」


見張りの兵は苦笑する。
彼女の奇行に走る癖を充分に知っているのだろう。
彼はつーに合わせて軽口を叩く。


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:56:58.60 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「馬鹿を言え。これは……そう、修行なのだよ」

「修行? 何のですか?」

(*゚∀゚)「美しい風景を見て心を優雅にする修行」

「なるほど。それなら隊長は特に念入りにやっとかないといけないですね」

(*゚∀゚)「ほう、そうかそうか。アタシには優雅の欠片も無いと
     言いたいのか。オーケー判ったお前今日の晩メシ抜き」

「うげぇ。勘弁してくださいよ」

(*゚∀゚)「うるさいうるさい抜きったら抜き」

「優雅さの欠片もねぇ……」ボソッ

(*゚∀゚)「加えてお前明日の朝まで交代せずに見張っとけ」

「うぎぃ」


ガクリと肩を落とし、涙目になる兵。


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:58:17.29 ID:jUsMlGoq0
鬼だ……鬼がいる


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 00:58:58.23 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「じゃあアタシはお前の分の晩メシを先に貰っておくね」

「え……、マジで?」


太陽に背を向けてテントに帰ろうとするつー。










その時、彼女は視界の隅に何かが動いたのを捉えた。


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:01:16.77 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「んう?」


しっかりと前を見据えてみる。
何も見えない。
薄目になってみる。
何も……。



いや、何か……。


(*゚∀゚)「おいお前! 双眼鏡は持っているか!!」

「え? どうしたんですか急に……」


突然のつーの大声に驚き、目を見開いている兵。


(*゚∀゚)「持っているかと聞いているんだっ!!」

「は、はい! えっと、えー、ここに……」


更に音量が跳ね上がった彼女の声に、半ば混乱しつつも彼はポーチから双眼鏡を取り出した。


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:03:15.31 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「貸せ!」


それをひったくるように取ると、もう一度先程の場所を目を皿にして見る。



その方向は暮れ行く太陽を背に向けた方角。








つまり―――『東』。


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:05:28.99 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「……畜生!」


『確認』すると、彼女は双眼鏡を放り投げ、
未だ呆然としている見張りの兵に怒鳴るように指示を出す。


(*゚∀゚)「おいっ! 今すぐ全員を集めて至急、東に向かわせろ!!」

「……ま、まさか!?」


ここにきてようやく、彼も緊急事態に気付いたらしい。


(*゚∀゚)「敵だっ……! 帝国兵がいるぞ!!」

「!!」

(*゚∀゚)「早く兵を集めろっ! アタシは先行する!!」

それだけを早口でまくし立てると、彼女は全速力で自分のテントに向かう。


「先行って……、一人でですかっ!? ちょっ、隊長!!」


彼の言葉は、もう彼女には届いていなかった。


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:07:22.10 ID:rsNApiHmO
体当たりをするかのような勢いでテントに入り込み、兜を手に取る。
彼女の赤い髪が銀色の金属に覆われる。



その時、目に映った一つの小鉢。

彼から預かった、小さな芽が出た小鉢。



ギリ、と奥歯を噛み締め、つーはテントの裏に置いていた自分の馬に跨り、平野を東に駆けた。


(*゚∀゚)「あの馬鹿っ……。死亡フラグにまんま乗っかりやがって……。
     面白すぎて逆にツマラナイだろうがっ……!」


前方に長く伸びる自分の影を、ただひたすらに踏み潰していった。


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:08:03.72 ID:wkVfloCS0
しぇ


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:09:41.96 ID:rsNApiHmO
馬を全力で走らせてどれくらい経っただろうか。
辺りに『有るモノ』が目立ち始めた。



そう。『人の死体』だ。

帝国兵の鎧を着た死体。
それと、つーと同じ鎧を着た死体も。


(*゚∀゚)「…………」


馬の速度を少しだけ落とし、周りを見回しながら進む。
やがてついた先には、廃れた家が数件並んだ小さな村があった。


その辺りは一際両国の兵の死体が散乱していた。
家も幾つか燃え尽きている。
どうやらこの村が主な戦地となったようだ。


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:10:50.22 ID:jUsMlGoq0
フラグに忠実すぎだろ……フサ……


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:12:21.19 ID:rsNApiHmO
つーは土の上に転がる死体を見て考える。


(*゚∀゚)(……おかしい。敵兵の数が多すぎる)


革命軍が皇帝を暗殺して以降、つー達は幾度となく帝国の残党を倒していったが、
彼ら一つ一つの集団は、精々30~70人程度の徒党だった。

無論100人、200人を越す大所帯のところもあるにはあったが、
それくらいの大群となると事前に情報が入るので、さほど問題は無い。


(*゚∀゚)(だけど今回は……。少なく見積もっても300はいる。実際には400近い?)


今現在、帝国の残党は全部で1200人であるという情報がある。
つまりこの場には、全体の約1/3が集まっていた事になる。

これは、今回のつーとフサギコ達の兵数とほぼ同数だった。


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:14:38.33 ID:rsNApiHmO
(;*゚∀゚)(くっ……。まさかこれほどの人数の軍が今まで存在を知られていなかったなんて……)


身に起きたイレギュラーな事態に目を伏せるつー。
だが何らかの気配を感じ取り、すぐさま顔を上げる。


(*゚∀゚)「!」


その直後、彼女が乗っていた馬が甲高い悲鳴を上げた。
見ると、馬の左前足に一本の矢が刺さっていた。


(*゚∀゚)「チッ!」


暴れる馬から振り下ろされるように地面に落ちたつーは、
しかししっかりと受け身を取り、近くの物陰に隠れた。

物陰からそっと顔を出し、弓が来た方向を確認する。
そこには、こちらへ向かってくる十人余りの帝国兵がいた。


(*゚∀゚)「フン、ただ数にモノを言わせて真っ直ぐ突っ込んでくるだけで
     アタシを仕留められると思うなよ……!」


つーは弓を手に持ち、矢の数を触って確かめ、その場を離れた。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:16:33.16 ID:rsNApiHmO
.


(*゚∀゚)「ったく、キリ無いね」


つーは素早い動きと、その小柄な体を利用した死角からの攻撃で、
次々と帝国兵を仕留めていった。

辺りに他の敵兵はいないか注意深く目を凝らす。


(*゚∀゚)「……む」


いた。しかもアレは……。

思うところがあったつーは、その敵兵の眼前へと躍り出た。


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:18:16.41 ID:rsNApiHmO
そこにいたのは全身を重厚な鎧で包んだ大柄の帝国兵。
手には球状の頭部に複数の棘がついているメイス―――『モーニングスター』を所持していた。

お互いの距離が五メートル程の所まで来たところで、つーは足を止めた。
敵兵はつーの姿を見つけた時点で足を止め、注意深く彼女を見ていた。

しばし無言で対面する。
その場だけ温度が下がったような感覚をつーは受けていた。


(*゚∀゚)「やあ。アンタが大将かい?」


沈黙を破り、つーが話しかける。
その内容はフランクだが、声質は重く、低い。


「いかにも。貴君の鎧の装飾……。そちらも現場の最高司令官とお見受けする」


その敵兵―――声の低さからいって男だろう―――は、騎士らしい、堅い物言いで返答する。


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:20:28.32 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「まあね。……さて、色々言いたい事はあるが、まどろっこしいのは抜きにしよう」


つーは兜の奥側から、獣のような鋭い眼光を光らせる。


(*゚∀゚)「降伏する気は無いか?」


降伏勧告。
それを聞いた男は。


「笑止。我を止められると思っているのか。
 貴君の身長、声の高さから、どうやら貴君―――いや、貴女は女であろう。
 女の身でありながら、我を殺せると思い上がるか?」


つーを蔑むように言った。


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:22:43.41 ID:rsNApiHmO
しかしつーは呆れたように首を振る。


(*゚∀゚)「おいおい、そうじゃないだろう。例えここでアンタが、
     アタシやアタシの部隊を全滅させたとしても、次は国の本軍が来る。
     兵力差は象と蟻どころじゃないよ。アンタ達に勝ち目なんて万に一つもない。
     アンタだって判っているだろう?」


それを聞いた男は無言になる。
理解したか、とつーが内心で胸をなで下ろす。

が、男の口から出たのは、


「それがどうした? 勝てぬ戦いだから、剣を収めよと?
 そんな事が許される筈がない。我が体は皇帝陛下の物であり、
 我が魂は帝国の物であるのだ。退ける訳が無いのだよ」


拒絶。
男は最後まで戦う意志を見せていた。


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:23:46.73 ID:jUsMlGoq0
~~のくせに 的な発言もフラグだよね


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:24:17.32 ID:rsNApiHmO
(#*゚∀゚)「馬鹿がっ……! 皇帝は死んだ! 帝国も間もなく消滅する! それでも戦うのか!?」

「陛下がお亡くなりになってもその思想は我らが兵に宿っている。
 それに、帝国は消えない。我らが戦う限り、帝国は消えないのだ」

(#*゚∀゚)「そんな形の無いモノに自分の命を懸けるというのか!?」

「……もう良いだろう。所詮は女。我らが崇高な意志など理解できぬのも当然」


男はモーニングスターを高く振り上げる。
夕日で紅く染まった彼は、さながら鬼のようだった。


「ならば貴女はここで倒れ、我が帝国の礎となるがよい!」


地を蹴り、男が襲いかかる。
重い鎧を着ているとは思えない程の俊敏さだ。


(*゚∀゚)「チィッ、これだから堅物は苦手なんだ。相手の言葉に耳を貸しやしない!」


つーは悪態を付きながら横に回り、懐の剣を抜いた。


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:25:48.64 ID:UA3nTuUA0
支援


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:26:38.96 ID:rsNApiHmO
モーニングスターの風を砕く音が鳴り響く。
直撃すれば鎧など意味を持たずに体ごと破壊されるだろう。


(*゚∀゚)「チッ、ブンブン振り回しちゃって、危ないだろっ!!」


つーは持ち前の素早い動きを生かして、相手の攻撃の僅かな隙間をつき、
モーニングスターを持つ右腕へと剣を飛ばす。
だがその斬撃は厚い甲冑に阻まれる。
男はそんな攻撃など全く意に介せずに、続けて武器を振り回した。


(*゚∀゚)「ハッ、衝撃を与えてその危なっかしいモノを落としてやろうと思ったのに。
     なんて分厚い鎧と馬鹿げた筋肉してるんだよ」

「貴女の速さには目を見張るものがあるが……。
 そんな武器では我に傷一つ負わせる事は出来ぬぞ!」


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:29:01.97 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「それはどうかねぇ?」


つーは先程と同じ様に間隙を縫って剣を走らせる。
すると―――


「ぬううっ!!?」


男の驚愕の声。
彼の右肘から鎧の繋ぎ目を通って、決して少なくない量の血が流れていた。


(*゚∀゚)「傷、負っちゃったねえ?」

「貴様、何を……!」

(*゚∀゚)「この剣、特注品でさ」


つーは剣の切っ先を男に見せるように突き立てる。


(*゚∀゚)「先端部分の厚みを限りなく薄くしてあるんだ。硬度を最低限保たせてね。
     そのお陰で鎧の僅かな隙間にも入り込む事が出来る」


つーは切っ先を向けたまま近寄り、相手の目の前まで来る。


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:31:12.72 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「さあ、どうする? まだ降伏の申し込みは受け付けるよ?」


男はじっと黙って、彼女を正面から見ていたが、やがて口を開いた。


「無論、断る」


その言葉と同時に、横薙ぎのモーニングスターが彼女の体を狙う。


(;*゚∀゚)「うわっ!!」


間一髪で身を引いてそれを躱す。つーの鎧、横一直線に傷跡が浮かび上がった。


(;*゚∀゚)「そんな……。肘に傷を負って何故武器を振れる!? そう浅くない傷のハズだよ!」

「鍛え方が違う!!」


男は左腕を後ろに回す。
するとその手には、右手に持っているモーニングスターと全く同じモノが握られていた。


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:32:54.16 ID:SFmPsii60
寝れない・・・


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:33:13.43 ID:rsNApiHmO
(;*゚∀゚)「も、もう一つあったの?」

「これで、仕留める!!」


二本の獲物を掲げて男が襲い来る。
先程まで僅かにあった攻撃後の隙が、完全に無くなった。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


雄叫びと共に武器を振り回し続けるその姿は、さながら竜巻のようだ。


(;*゚∀゚)「クソおっ!!」


振り回しながら前へ、前へ出てくる男の攻撃を間一髪で躱し続けるつー。
その顔に、先程まであった余裕は無い。


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:34:59.59 ID:rsNApiHmO
(;*゚∀゚)「なんで! なんでだ! なんで判ってくれない!?
      なんで無駄に命を散らそうとする!?」

「それが誇りというものだからだ!
 先人達が造り上げてきたモノを、我らが壊す訳にはいかないっ!」

(;*゚∀゚)「先人だぁ!? フザケるな! そんな昔の人間に縛られて、それでいいのか!
      アンタは今! 生きているんだろうが!」

「違う! 俺は国によって生かされている!
 その恩に報いるためにも俺は命を賭して国を護らねばならない!」

(;*゚∀゚)「違わないっ! アンタにだって家族や友人、愛する人がいるはずだ!
      その人達の為に明日を生きるべきなんじゃないのか!!」

「そんな俺の勝手な都合で国を滅ぼしてたまるか!」

(;*゚∀゚)「その国が無くなると言っているんだ!」

「無くならない!! 俺が無くさせないんだ!!!」

(;*゚∀゚)「こっの……」



(#*゚∀゚)「わからずやがああああああああああああああああああ!!!!!」


男の右手のモーニングスターがつーの顔に襲いかかると同時に、
つーは男の顔目掛けて剣を突き刺そうとする。


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:36:58.89 ID:rsNApiHmO
.









つーの兜が、宙を舞った。









.


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:39:13.78 ID:rsNApiHmO
ガシャン、と、兜が地面に落ちる。

それと同時に男の二本のモーニングスターが地に置かれ、次いで男が両膝を着いた。

つーの剣が、男の兜の隙間を縫って、彼の左目に突き刺さっていた。

つーは兜を吹き飛ばされただけで、本人には大した傷は無いようだった。



決着が、着いた。




「……我の……、負けか……」

(*゚∀゚)「…………」


つーは男を見つめている。
彼女の紅い髪が風で揺れる。


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:40:58.70 ID:EzCjNzgd0
ふむ、支援


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:41:09.28 ID:rsNApiHmO
「……その紅髪……、そうか……、貴女が『紅豹』であったか……。
 ふ、ふふ……。あ、あの名高い『紅豹』が……、まさかこんな小さな女だったとは……」

(*゚∀゚)「……止めろよ、その名前。恥ずかしいんだから」

「ふ、ふふふ……」

(*゚∀゚)「…………」

「……なあ、『紅豹』よ……。我を、どう思う……」

(*゚∀゚)「大馬鹿野郎」

「ふ……、だろうな……。だが……、我に……、悔いはない……」

(*゚∀゚)「…………」

「これで……、我も陛下の元へ行ける……。
 主よ……、我を導いてくれ……。そ、そして……、帝国の……、永久なる繁栄、を……」


そこで、男は倒れた。
もう口を開く事はなかった。


(*゚∀゚)「大馬鹿野郎」


つーはボソリと、男に向かって呟いた。


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:42:36.70 ID:jUsMlGoq0
むなしいな……


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:43:20.24 ID:rsNApiHmO
「隊長! 無事でしたか!」


一人の兵がつーの元に駆けつけた。男はあの時の見張りの兵だった。


(*゚∀゚)「ああ、無事だよ」

「あ、安心しました。敵陣に一人で突っ込むとか自殺行為ですよ。
 いくら隊長が強いっていっても」

(*゚∀゚)「ああ、悪いね」

「……隊長、指示を。味方の生き残りを捜しますか?」

(*゚∀゚)「……いや、敵兵の残りを捕まえるのを第一にしろ」

「……判りました。全軍に伝えます」


男はつーの元を去った。

つーはしばらくその場に佇んでいたが、やがて、どこへ向かうでもなしに歩き始めた。


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:45:16.87 ID:rsNApiHmO
.


つーがあの時、味方を捜すのではなく、敵を捕らえるように見張りの男に言ったのは、
恐らく味方は全滅しているだろうと思ったからである。





そう。

今、つーの目の前で倒れている男のように。




ミ,, Д 彡



(*゚∀゚)「…………」


男―――フサギコは既に事切れていた。
喉の辺りから血を流し、家の壁に寄りかかって倒れていた。


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:48:42.94 ID:rsNApiHmO
つーが周りを見渡すと、子供が一人、死んでいた。
小さな、五、六歳くらいの男の子だった。

その男の子の近くに、小振りのナイフが落ちていた。
その刃は血で塗れていた。

つーは推測した。
多分、フサギコはこの子供に殺されたのだ。



フサギコは子供をここの村に住むものだと思ったのだろう。
そして、助けようとして近付いた。
しかし実際は、あの子供は帝国の子供だった。

帝国の兵は残り少なかった。
だから、あんな何も判らないような子供まで戦場に駆り立てられたのだろう。



『金獅子』と呼ばれ、恐れられた屈強な兵士は、訓練も受けてないであろう子供に殺されたのだ。


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:50:21.92 ID:rsNApiHmO
.


あの日から数日後。
つーは墓地の片隅にある一つの墓の前に立っていた。
その墓標に刻まれている名前はフサギコ。彼の墓だ。

つーはあの時、フサギコから預かった小鉢を持っていた。


(*゚∀゚)「本当なら、この花をアンタの墓に捧げるのがいいんだろうけどね。
     ま、もうちょっと待ちなよ」


小鉢に盛られた土の上には、小さな芽が一つ出ていた。


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:52:59.54 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「なあ、フサギコ」


つーは墓前に語りかける。


(*゚∀゚)「やっぱアンタ保父さん向いてないよ。だってアンタ、子供叱れないだろ?」


つーは意地悪そうな顔で墓を見ている。


(*゚∀゚)「悪いことをした子供はちゃんと叱ってやらなきゃ。そうだろ?」


コンコン、と軽く墓を叩く。
「ちゃんと判っているのか?」と、確認するかのように。


(*゚∀゚)「まあいいさ」


つーは墓に背を向け、歩き出す。


(*゚∀゚)「もうそんなんじゃ子供を育てるなんて事は出来ないだろう。
     だからアタシがアタシなりの方法でアンタの夢を引き継いでやるさ」


墓地の出口に向かうつーは、彼の墓から彼女が見えるように、右腕を上げた。
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:55:02.11 ID:jUsMlGoq0
フサギコも大馬鹿野郎だな……


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:55:02.30 ID:rsNApiHmO
.









(*゚∀゚)「だってアタシは、アンタの友人だからね」





それから一年後。

Z.A 192年。

実に七十七年も続いたこの戦争は、幕を閉じた。


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 01:57:57.33 ID:rsNApiHmO
.


Z.A 207年。

あの『七十七年戦争』が終わってから十五年。

VIP・シベリア連合国の城下町の片隅に、一軒の店があった。

その店の名前は『赤猫』。
色とりどりの花が咲き誇る、フラワーショップだ。


(*゚∀゚)「うーい、ギコー。これを運んでねー」


そこにはつーの姿があった。
彼女はこの店を経営していた。


(,,゚Д゚)「うーっす。どこに運ぶんスか?」


青年の名前はギコ。
このショップの唯一の店員だ。


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:00:50.70 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「あの三丁目の肉屋の向かい側にある孤児院だよ」

(,,゚Д゚)「あー、あそこ……。ってアレ? あそこから注文来てましたっけ?」

(*゚∀゚)「うんにゃ。来てないよん」

(,,゚Д゚)「……いやいや、じゃあ何で持って行くんですか」

(*゚∀゚)「いーんだよ。あそこの院長にはタダであげるって言ってあるから」

(;゚Д゚)「はあ!? タダで!? 何考えてるんスか!?」

(*゚∀゚)「だいじょぶだいじょぶ。元々この店だって趣味でやってる訳だし」

(;゚Д゚)「お、俺の給料は……?」

(*゚∀゚)「歩合制」

(#゚Д゚)「やってられるか―――!!!」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ!」


ギコの怒鳴り声とつーの笑い声が店中に広がる。
これが、この店のいつもの光景であった。


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:03:27.95 ID:rsNApiHmO
(,,゚Д゚)「まったく……。しかし何でタダなんスか? いくら趣味っていっても……」

(*゚∀゚)「それはね、アタシも子供が好きだからさ」

(,,゚Д゚)「『アタシも』? 俺はそこまで子供好きって訳じゃ無いスよ。別に嫌いでもないけど」

(*゚∀゚)「別にアンタの事言った訳じゃないよ♪」

(,,゚Д゚)「はぁ、ワケ判んないっス……。それと、送るこの花って……」

(*゚∀゚)「『ジニア』。別名『百日草』とも言うね」

(,,゚Д゚)「そう、そのジニア。そのジニアなんスけど……」


ギコは改めて店の中を見渡す。


(,,゚Д゚)「今更なんスけど、なんでこの店の花、半分以上がジニアなんスか?」


店内には様々な色のジニアがこれでもかと場所を占拠している。
他の花は申し訳程度に数種類あるだけだ。


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:05:26.19 ID:rsNApiHmO
(*゚∀゚)「ふふん。今更だけど、よくぞ聞いてくれました。
     この花は我が友との友情の証なのだよ!
     アタシがこの店を開いているのはその為だと言ってもいいね!」

(,,゚Д゚)「はあ、友人さんの……」

(*゚∀゚)「だからギコ。アンタはアタシとその友人との架け橋となるべく、キリキリと働きなさい。
     さあ配達に行った行った!」

(;゚Д゚)「うわ! ちょっ! 押さないで店長! 行く! 行くっスから!」


つーからニコニコ顔で押されたギコは渋々花を荷台に載せて二輪車に跨る。
年代物のエンジンが不規則な音を立て、黒い排気ガスを撒き散らしながら、
ギコは街の坂道を下っていった。


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:07:27.15 ID:rsNApiHmO
(,,゚Д゚)「はぁー。ウチの店長はホント変人だよなぁー」


ギコは二輪車を運転しながら、つーに振り回される日々に疲れの声を上げた。


(,,゚Д゚)「確か店長って昔、そこそこ名の知れた兵士で、
     前の大戦でも活躍したって話だよなぁ……」


ふと、ギコは以前つーから聞いた話を思い出した。


【(*゚∀゚)「ああ、『赤猫』の名前の由来?
      実はさー、アタシは戦時中『紅豹』って言われてたんだけどさ、恥ずかしい事に。
      んで、今はもう戦争もない平和な世の中な訳じゃん?
      だから豹の牙とか爪とかはもう必要ない訳じゃん。
      だから猫。赤猫。アンダスタン?」】

(,,゚Д゚)「って事を言っていたなー。でもそこまでの兵士が何で今、
     フラワーショップとかやってんだ?」


やっぱり、さっきの話に出ていた店長の友人さんが理由なのかな、とギコは考える。

一体、店長と友人の間に昔何があったのだろうか―――?
気になってきたギコは、配達から帰ったら聞いてみようと思った。


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:08:59.01 ID:rsNApiHmO
(,,゚Д゚)「おっとと。考え事をしてたら通り過ぎるところだった」


ギコは慌てて急ブレーキを踏み、何時の間にか到着していた孤児院の敷地に入っていった。


二輪車から降り、積み荷を下ろす際に、ギコはふと思った。


そう言えば、ジニアの花言葉は何だっただろうか。


確か、そう。


ジニアの花言葉は―――



.






101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 02:10:58.80 ID:rsNApiHmO
.









―――『別れた友への思い』。








(*゚∀゚)は花を育てるようです   おしまい

[ 2010/09/07 20:45 ] 三国志Z作品 | TB(0) | CM(2)

18.川 ゚ -゚)会いに行くようです('A`)

2 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:00:54 ID:???O
 「なぁ」

 「何だよ?」

 「お前はさ、何の『神さま』なんだ?」

 「……知りたいか?」

 川 ゚ -゚)「あぁ、知りたいな」

 ('A`)「なら、当ててみ」


3 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:01:43 ID:???O

川 ゚ -゚)会いに行くようです('A`)


4 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:02:35 ID:???O
 丘の上にある寂れた神社には、
『神さま』が住み着いている。

『神さま』と言ってもそいつは、ホームレスばりにこ汚い、生意気な子供だ。

人の顔を見れば、二言目には「酒」。

『神さま』というのも自称なもんだから、それが本当かどうかは私も知らない。

さして興味もない。


5 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:04:21 ID:???O
('A`)「腹減ったなぁ……」

川 ゚ -゚)「ラーメンかなんか食べに行くか?」

川 ゚ -゚)「そのくらいなら奢るぞ?」

('A`)「あー、無理」

('A`)「俺、この神社から出られないから」

川 ゚ -゚)「出られない?」

('A`)「俺はあの大鳥居から、向こうに行けねぇんだ」

('A`)「この神社以外にゃどこにも行けない」

川 ゚ -゚)「……不便だな」

(;'A`)「そう思うなら、酒と飯くらい持って来いよ」

川 ゚ -゚)「考えとこう」


6 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:05:05 ID:???O
 ―――ただ、最初に会った時から、
こいつは普通の人間ではないんだって事だけは、感じていた。

でも、そんなの私にとってはどうでもいいことだ。


7 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:06:15 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)ノシ「やあ」

('A`)「よっ」

('A`)「……酒は?」

川 ゚ -゚)「ない」

(;'A`)「またかよ……。俺、神さまだぞ? 少しは俺を敬うとかさぁ」

川 ゚ -゚)「『神』とかwwwwwww自称だろwww」

(;'A`)「まぁ自称だけど…」

(;'A`)「お前は俺に借りがあるんじゃないのか? 酒のひとつや二つ…」

川 ゚ -゚)「子供に飲ます酒はない」

('A`)「俺、神さまなのに」

川 ゚ -゚)「自称だろう」


8 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:07:22 ID:???O
 随分前に、ひょんなことから知り合った『神さま』は、
酒がなによりも好きらしい。


('A`)「あー……腹減ったなぁ……」


 寂れて、誰も近寄らないような神社なんかにいるのは、
『神さま』と私くらいだ。

くだらない話をする時間を、

誰にも咎められないこの空間を、

私は何よりも大切に思っていた。


9 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:08:33 ID:???O
川 ゚ -゚)つ〇「まぁ、これで良かったら、あげよう」

('A`)つ〇「えー……。おにぎりかよ……」

川 ゚ -゚)「わざわざ握って来たんだ、感謝してほしいくらいだな」

(;'A`)「え……これお前が作ったの? これ食える? 大丈夫?」

(;'A`)「言っておくが、神殺しは大罪だからな!!」

川 ゚ -゚)「失礼だな」

('A`)「まぁいいや。中身は?」

川 ゚ -゚)「明太子」

(*'A`)「ほう」

(*'A`)「俺の好物がよく分かったな、褒美をやろう」


10 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:09:28 ID:???O
川 ゚ -゚)「マジか」

川 ゚ -゚)「何をくれるんだ?」

('A`)「そうだなぁ」

('A`)「……永遠の命、とか」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)

川 'A`)「永遠の命、とか(キリッ」

川 ; -;)「wwwwwwwwwwww」

(;'A`)「お、お前はバカにしてるけど、やろうと思えば出来るんだからな!」

川 ; -゚)「あー、うんうん、分かってる分かってる」

川 ; -゚)「何てったって、『神さま』だもんな」

(;'A`)「こいつうっぜぇ」


11 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:10:10 ID:???O
('A`)「でも、普通の人間は、『永遠の命』って聞いたら喜ぶもんなんだけどな」

川 ゚ -゚)「残念ながら私は『普通』じゃないんでね」

('A`)「んなこと知ってるよ」

('A`)「普通の人間なら」

('A`)「神社で首吊ろうなんてしねぇからな」

川 ゚ -゚)「随分昔の話を蒸し返すな」

(;'A`)「随分昔って……」

(;'A`)「お前に会ったの、つい数ヶ月前じゃなかったっけ?」

川 ゚ -゚)「ん? そんなもんだっけ?」

川 ゚ -゚)「なんかもっと前から知り合いだった気がしてたなぁ」


12 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:12:40 ID:???O
('A`)「……」

('A`)「ま、『褒美』は考えとくよ」

('A`)「でも、忘れんなよ」

('A`)「あの時俺が話し掛けなきゃ、お前今ここにいなかったってこと」

川 ゚ -゚)「あぁ、分かってるよ」

川 ゚ -゚)「でも」

川 ゚ -゚)「むしろ、そっちのが良かったかもな」

('A`)「…………」

川 ゚ -゚)「よいしょっと」

('A`)「ん? 今日はもう帰るのか?」

川 ゚ -゚)「あぁ、『神さま(笑)』にお供えも済んだしな」

(;'A`)「やっぱお前ウザいわ!」


13 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:13:29 ID:???O
('A`)「あ、それと」

('A`)「お供えモノなら、酒がいい」

川 ゚ -゚)「分かった」

川 ゚ -゚)「大鳥居の手前に置いとくよ」

(;'A`)「うっわ、うぜぇ」

川 ゚ -゚)「褒め言葉として受け取ろう」

川 ゚ -゚)ノシ「じゃあ」


 『神さま』がいる神社の大鳥居をくぐり、ちょっと振り返る。

大鳥居からこっちに来られないという
自称『神さま』の姿は、消えていた。


14 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:15:00 ID:???O
川 ゚ -゚)「………」

「―――ねぇ、あの子……」

「あぁ、素直さんちの…」

「確かあの子って―――」


 ひとたび神社を離れれば、すれ違う奴らは私を見て、
これみよがしにひそひそ話を始める。

あぁ、どいつもこいつも、相変わらずだ。


川 ゚ -゚)「……」


 ―――強靭な精神を持っていたとしても、
周りからここまで追い詰められるってのは、やっぱり堪えるものだ。

日々エスカレートしていく嫌がらせに耐えるのも面倒になって、
首を吊ろうと思った事もある。

……というより、一度だけ、吊った。


15 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:17:10 ID:???O
【全員恨みます】みたいな遺書置いて、
木に縄を引っ掛けて、さぁ死のうって時に、


(;'A`)『ここで死ぬなぁああぁああぁぁぁあ!!』


 『神さま』が、邪魔してきたんだ。


(;'A`)『ここで死んだら、誰がお前の死体見つけんだよ!! 誰も来ねぇぞこんな場所!』

(;'A`)『やだよ俺、人間が腐乱してく様を見るの!』

川 ゚ -゚)『…………』

川 ゚ -゚)『お前誰だよ』


 あの時は、お世辞でもなんか気の利いた事言えないのかと思った。

で、私の自殺を邪魔してきた『神さま』と話してたら……


川 ゚ -゚)『悩むのバカバカしいwwwwwwwwwwww』

('A`)『だろwwwwwwwwwwwwどうせ嫌われてんなら、存分に生きて、嫌がらせすりゃいいんだってwwwwwwwwwwww』


16 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:17:50 ID:???O
 ……我ながら、あの時はどうかしてた。

まともに会話したのも久しぶりだったからな……

嬉しかった、のかもしれない。

ちゃんと人(?)と話せたのが。


川 ゚ -゚)「ま、今となっては、ひたすらウザいガキんちょにしか思えないけど」


 でも、私が色々な意味であいつに救われたっていうのは確かで、そこは、『神さま』に感謝しているつもりだ。


17 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:19:13 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)ノシ「やあ」


 暇になったもんだから、日付が変わる頃、もう一度神社に向かった。

好物だという、明太子のおにぎりも握ってきた。

面倒だし重いから、酒は持って来ていない。

残念だったな。自称『神さま』。


川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ -゚)「あれ?」


 おかしいな。

いつも私が大鳥居をくぐると、どこからか出て来るはずなんだけど……


18 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:20:06 ID:???O
夜遅くに来たから、寝てるのか?
叩き起こしに行ってやろうかな。
どこで寝てるのかは、知らないけど。


川 ゚ -゚)「おーい」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「あーあ、残念だなぁ!」

川 ゚ -゚)「せっかくいい酒持って来たのに、『神さま』はお留守のようだ!」

(*'A`)「酒!!」

川 ゚ -゚)「あ、いた」

(*'A`)「酒は?!」

川 ゚ -゚)「釣りでした」

(;'A`)「うっわ…マジないわー、神さま騙すとかマジないわー」

(;'A`)「お前バチ当てるぞ」

川 ゚ -゚)「まぁまぁ」

川 ゚ -゚)「酒はないけど、」

川 ゚ -゚)「おにぎりだったら持って来た」

('A`)「ほう、中身は?」

川 ゚ -゚)「明太子」

(*'A`)「おk、許そう」


19 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:20:55 ID:???O
 おにぎりで許す神っていうのも、全く威厳がない。

この、みすぼらしいホームレスのような姿から、
威厳を感じろってのが、まず無理な話か。


川 ゚ -゚)「…うまいか?」

('A`)「お前が握ったにしては上出来だと思う」

川*゚ -゚)「そうか、うまいか」

川*゚ -゚)「頭を撫でてやろう」

(;'A`)「何だよ気持ち悪いな」

川#゚ -゚)


 褒められるのってこんなに嬉しかったかな?

もう長い間、誰かに褒められたことなんかなかった気がする。


20 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:21:50 ID:???O
('A`)「……」

('A`)「最近、どうよ?」

川 ゚ -゚)「ん? 何が?」

('A`)「『外』の様子とか。お前の様子とか」

('A`)「誰か、味方になってくれる人とか、そろそろ捜さねぇと」

川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ー゚)「無理だよ」

川 ゚ -゚)「この辺の人たち皆が私を嫌ってるだろ?」

川 ゚ -゚)「嫌ってるヤツから擦り寄られても、ウザったいだけだ。だから、無理だよ」

('A`)「………」

('A`)「でも、ずっとこうやっている訳にはいかないだろ?」

川 ゚ -゚)「なんで?」

('A`)「なんでって……」


21 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:24:21 ID:???O
('A`)「俺とお前は、根本的な部分が違うじゃん」

川 ゚ -゚)「あぁ……。『神さま』と人間って意味か?」

('A`)「そうそう」

('A`)「俺はこう見えても長い間を生きてるから、『独り』に慣れてるけど、お前は違う」

('A`)「限られた時間を生きる、人間だ」

('A`)「人は人と関わるのが、自然の摂理」

('A`)「どっちかが変わらないと、いつまでもこのままだぞ?」

川 ゚ -゚)「いいじゃないか、それ。私にとっては最高だよ」

川 ゚ -゚)「どうしたって、理解しあえない人間はいる」

川 ゚ -゚)「無理に和解する必要はないだろう」

('A`)「……」

('A`)「……ダメなんだよ。それじゃあ……」


22 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:25:10 ID:???O
川 ゚ -゚)「…… ('A`)「少し前から、お前に言おうと思ってた事がある」

川 ゚ -゚)「……何だ」

('A`)「お前の場合は境遇が境遇だったから、しばらく俺も姿現してたけど」

('A`)「間違いなく、このままじゃダメだ」

('A`)「人間は、この世のものじゃない奴と、関わってちゃいけねぇ」

('A`)「そういう風に出来てるんだってよ、俺もよく知らないけどさ」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「さっきから遠回しに言うな」

川 ゚ -゚)「はっきり言ったらどうなんだ」

川 ゚ -゚)「『お前は、あまり俺と馴れ合っちゃいけない』って」

川 ゚ -゚)「そう言いたいんだろう?」

('A`)「…………」

川 ゚ -゚)「……じゃあ」


23 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:25:55 ID:???O
川 ゚ -゚)「お前は私に、また独りになれと言ってるんだな」

(;'A`)「そうじゃない」

(;'A`)「だからさ―――」

川 ゚ -゚)「あぁ、お前の言いたいことは分かる。よく分かる」

川 ゚ -゚)「人と関われって事だろ?」

(;'A`)「あ、あぁ」

川  - )「―――」

川  - )「――それが簡単に出来てたら、そもそも私は自殺しようなんて思わない」

川  - )「出来ないんだ。出来ないんだよ」

川 ; -゚)「どこにも行けないお前には、分からないだろうな!!」

(;'A`)「あっ、おい、最後まで人の話を聞―――」


24 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:27:06 ID:???O
 『神さま』なんかには分からない。

前も後ろも、右も左も、上も下も、
どこを見ても敵しかいない人間の気持ちが。

授業受けることも、買い物することも、
私は周りの人に受け入れられない。

それがどれだけ辛くて、悲しいことか、お前には分からない。


川  - )「……」


 認めよう。

『神さま』と、くだらないことで笑ってた毎日が、
私にとっては何よりも楽しかったって。

どんなものよりも価値がある時間だって、そう思ってた。

誰かと笑いあえるのが、こんなに楽しいなんて知らなかったよ。

今さら独りに戻れなんて、何の冗談だ?

だったらあの日、首吊ろうとしたあの時、
話し掛けてこなければよかったんだ


25 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:28:11 ID:???O
川 ぅ- )「……」

 神社の長ったらしい階段の下から、
苔に覆われた大鳥居を見上げた。

いつだったか、『神さま』が言ってたな。


『俺はこの大鳥居から外には出られない』


 ざまぁみろ、とでも言っておこうか。

今度、あの鳥居の前で酒浴びるように飲んでやろう。

おにぎりの中身にキムチたっぷり入れて、境内に投げ付けてやる

嫌がらせなら得意だからな。

……なんて。


川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「分かったよ」

川 ゚ -゚)「もう、ここには来ない」


 なぁ、聞こえてるんだろ?

なんか反応したらどうなんだ

拝む人もいない神社で、大鳥居からこっちに来られない『神さま』なんか、
いてもいなくても変わらない

私と同じだと、思ってたのに―――


26 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:29:06 ID:???O
* * * * *
 * * * * *

ζ(゚ー゚*ζ「ね、知ってる?」

ζ(゚ー゚*ζ「この前、素直さん、夜中に泣いてたらしいよ~?」

(*゚ー゚)「えー、マジで?」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

ζ(゚ー゚*ζ「丘の上にさぁ、神社があるじゃん?」

(*゚ー゚)「あー、あの汚い神社?」

ζ(゚ー゚*ζ「そうそう。あの人、最近その神社に入り浸ってたみたいで~」

(;*゚ー゚)「え……マジ? あんなところで何してるんだろ、素直さん……」

ζ(゚ー゚*ζ「さぁ……。何にしても、不気味だよねぇ……」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」


 あれから数日。

夜中、泣きながら家に帰った私の姿は、バッチリ人に見られてたらしい。

根も葉もない話はどんどん大きくなってるし、
完璧に私は四面楚歌だか孤立無援だか、そんな状況にある。

まぁ、前からこんな感じだったんだから、大して変わっちゃいないけど。


27 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:30:10 ID:???O
川 ゚ -゚)


 ―――『神さま』の言うとおり、あれ以来神社には行ってない。

狭い部屋の隅で、ぼんやりする毎日だ。

ご飯食べるのも、買い物に行くのも面倒だし、
このまま死ぬのもいいな、なんて思い始めている。


川 ゚ -゚)「(わざわざ私の近くに来てまで、噂話とは)」

川 ゚ -゚)「(もうすぐ授業始まるのに、暇な奴らだな)」


(*゚ー゚)「あ、神社で思い出したけど―――」

(*゚ー゚)「あの神社、取り壊されるんだよね」

ζ(゚ー゚*ζ「へー、そうなの? まぁ、別にどうでもいいけどね~」

(*゚ー゚)「あそこ、階段長かったし、神主もいないしね」

(*゚ー゚)「素直さんくらいしか行かないでしょ」

ζ(^ー^*ζ「あはは、確かにそうだよね」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」

<あ、そういえばね―――


28 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:31:14 ID:???O
川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「……は?」


 講義の始まりを示すチャイムが鳴る。

わざわざ私の近くで噂話を披露してくれた彼女らは、慌てて席に戻っていった。


川;゚ -゚)「…………」


 ……神社が、取り壊される?

嘘だろう?


川;゚ -゚)「(どういう事だ……?!)」

川;゚ -゚)「(……神社が壊されたら、『神さま』は…!!)」


( ・∀・)「はい、みんなおはよう。今日も――― 川;゚ -゚)「っくそ!!」

(;・∀・)「あっ、素直さん?!」

ξ ゚⊿゚)ξそ


 チャイムが鳴り終わるのと同時に、
入ってきた教授を押し退けて神社に向かって走った。

あぁ、きっと神社に現れた私を見て、お前は言うんだろうな。


('A`)『―――酒は、持って来たか?』


 なんて、どうでもいい事を。


29 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:32:04 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川;゚ -゚)「はっ…はぁ……」


 『取り壊し』の話が本当かどうか、この目で確かめたくて、
神社の階段を一気に駆け上がって、大鳥居の前で足を止めた。

―――神社が取り壊されるなんて嘘だろう?

この町の人は皆、私を嫌ってるから、だからあんな嘘を……


川;゚ -゚)「っはぁ…はぁ……」


 大鳥居から見える神社の敷地内に、重機が見えた。

取り壊す気、満々だ。


川  - )「…………」

川 ゚ -゚)「……ちっ!!」


 あいつは、神社が取り壊されることを知ってるのか?!

どこだ?

どこにいる?


30 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:32:54 ID:???O
川;゚ -゚)「『神さま』! どこだ!! 出てこい!」

('A`)「おう呼んだ?」

川#゚ -゚)「『呼んだ?』じゃない!!」

(;'A`)「そんな怒るなよ……。それより、酒は?」

川#゚ -゚)「そんなもの、あるか!!」

(;'A`)「最後なのに」

川;゚ -゚)「っ」

川;゚ -゚)「……知ってたのか? 神社が取り壊されるって……」

('A`)「あー」

('A`)「そりゃあ知ってるさ」

('A`)「俺が、そうするように仕向けたんだからな」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)


 おいおいおいおい

何言ってるんだ、こいつ……

『そうするように仕向けた』って、何のために?


31 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:33:41 ID:???O
川;゚ -゚)「…………はぁ?」

('A`)「こないだお前、話の途中で帰ったじゃん」

('A`)「大切な事だから、ちゃんと話しておきたかったんだけど」

('A`)「全然神社に来なくなっちまったから」

('A`)「『神社取り壊し』って知ったら、お前、絶対ここに来ると思って」

川;゚ -゚)「いや、だから……意味が分からない!! 仕向けたって、どうやって!!」

('A`)「いやほら、俺、神さまだからさ」

('A`)「そんくらい簡単簡単」

川;゚ -゚)「……」

('A`)「あまり時間がないんだ」

('A`)「最後くらい、俺の話、聞いてけよ」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「……手短に話せ」

('A`)「おk」


32 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:34:42 ID:???O
('A`)「―――俺、ここの神社から出られないんだ」

川 ゚ -゚)「……そんな事、知ってるよ」

('A`)「お前があの日、ここに来る前は、人なんか誰も来なくてさ」

('A`)「独りに慣れてるとはいえ、まぁさすがに寂しかった」

('A`)「10年も20年も前までは、ちゃんとした神主がいたし、参拝する奴もいたのにな」

('A`)「―――で、やっと人が来たと思えば、首吊りの用意してやがるしさ」

('A`)「ったく、神社だってのにとんだ罰当たりな奴がいたもんだよな」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「あの時、お前を止めたこと、俺は後悔してないよ」

('A`)「毎日来てくれたから、退屈で寂しかった日常が、すごく楽しくなった」

('A`)「明太子のおにぎりも、まぁまぁ美味かったしな」

('A`)「俺だってひとりぼっちは嫌だったから」

('A`)「お前と話せるのが、嬉しかったんだ」

('A`)「でも、やっぱり人は人と一緒にいるのが、正しい」

('A`)「だから、この前……『人と関われ』って言ったんだけどね」

('A`)「あー……まぁ……その、なんだ」


33 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:35:34 ID:???O
('A`)「何だかんだで、お前に会えて良かったよ」

川  - )「…………」

('A`)「でもな、どうしたって俺とお前は違うんだ」

('A`)「ここに入り浸ってると、お前は余計に孤立しちまう」

('A`)「それは、ダメだ」

('A`)「お前は人の子なんだから」

川  - )「……」

川  - )「……私が……来なかったから……」

('A`)「?」

川  - )「……私が来なかったから…お前、神社を取り壊すように……」

('A`)「あー、いや、どのみちこうなる運命だった」

('A`)「形あるものはいつか無くなるもんだから」

('A`)「それに、ここに来づらくさせたのは俺だ」

('A`)「お前が気にする必要は全くない」

川  - )「…………」

川  - )「……社」

('A`)「ん?」

川  - )「社……取り壊されたら……お前もいなくなるのか?」

('A`)「あぁ。俺はここの神さまだからな」

('A`)「社と一緒に消える」


34 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:36:30 ID:???O
川  - )「……そうか」

('A`)「でも、約束する」

('A`)「俺は、お前の味方だ」

('A`)「これから先も、ずっと」

('A`)「他の奴らが何を言っても、大丈夫」

('A`)「神さまが味方なんだから」

川  - )「……ああ」

('A`)「それと、明太子のおにぎりの『褒美』だけど」

('A`)「ちゃんと、与えたからな」

川 ゚ -゚)「……?」

('∀`)「そのうち分かるさ。大切にしろよ?」

川  -;)「……あぁ。分かった……」

(`・ω・´)「今からお社を取り壊します。危険ですので、神社を出てください」

('A;)「ほら、―――行け」

川 ; - )「……っう」

川 ぅ-;)「…………」

川 ゚ -゚)「約束、したからな!! 絶対に破るなよ!」


35 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:37:16 ID:???O
('A`)b


 カッコつけた姿がここまで似合わない奴なんか、初めて見た。

解体作業の人に神社を追い出され、
大鳥居をくぐる前に社の方を振り返ったら、


('A`)ノシ


 世界で一番優しい神さまが、笑って手を振っていた。


36 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:38:29 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)「よいしょっと」


 ―――あれから、一年近くが経った。

神社があった場所は結局何の建物も建たず、空き地のままだ。

社が取り壊された時点で、『神さま』は、ぱったりと姿を消してしまった。

それでも私は、今でも明太子のおにぎりを持って、毎日神社跡地に行っている。

まぁ当然、酒はない。


―――どっかで見てるか? 神さま。

お前が言ってた『褒美』は、本当に大事にしてるよ。

ずっと気にかけてくれてたんだな。

ありがとう。


37 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:39:28 ID:???O
川 ゚ -゚)「―――結局、答えは教えてくれなかったけど、お前ってさ」

川 ゚ -゚)「疫病神だったのかな」

川 ゚ -゚)「それとも、座敷わらし的な神さま?」


 どっちだとしても妙に納得してしまうのは、
あのどこか憎めない姿の為せる技ってやつだろうか。

まぁ、もう答えは分からないんだ、考えても仕方ないってね。


川 ゚ -゚)「今日も『神さま』へのお供えは終了、と」

川 ゚ -゚)「さて、……悪いな、ツン。付き合わせちゃって」

ξ ゚⊿゚)ξ「そんなのは別にいいけど、クー」

ξ ゚⊿゚)ξ「いつも、何にお供えしてるの?」

川 ゚ -゚)「ん?」


38 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:41:54 ID:???O
川 ゚ー゚)「……神さまだよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「……『神さま?』」

川 ゚ -゚)「あぁ、神さまだ」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………?」


 明太子のおにぎりは、ちゃんとお供えした後に持って帰る。

あまり明太子は好きじゃないけど、食べてくれる人が出来たから、もう大丈夫だ。


ξ ゚~゚)ξ「相変わらず、クーが作ったおにぎりは美味しいわね。どうやって作ってるの?」

川 ゚ -゚)「普通に握ってるだけだぞ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「その普通ってのが出来ないのよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「今度作り方教えてね」

川 ゚ -゚)「分かった」

ξ ゚⊿゚)ξ「じゃ、そろそろ行きましょう」

川 ゚ -゚)「あぁ、ちょっと先に行っててくれ」

ξ ゚⊿゚)ξ「うん」


39 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:43:08 ID:???O
 * * * * *
* * * * *

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ー゚)「さて、私も行―――」

『よぉ』

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)

『酒、持って来たか?』

川 ゚ -゚)

川 ゚ー゚)「…………」

川 ゚ー゚)「ないな。ここには、明太子のおにぎりしかない」


 ああ、やっとか。

遅かったな。バカ。


「仕方ない、今日のところは」


40 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:43:40 ID:???O



('A`)「明太子で許してやろう」


41 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:44:53 ID:???O
 ―――とある町に、

人に嫌われ、自殺しようとした、独りぼっちの女がいた。

 ―――とある町に、

汚らしい子供の姿のくせに、人のために自分が消えることすら厭わない、
馬鹿で不細工な、独りぼっちの『神さま』がいた。


42 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:45:30 ID:???O

  ―――丘の上の神社には、世界で一番優しい、『神さま』がいたそうだ。


43 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:46:05 ID:???O

川 ゚ -゚)会いに行くようです('A`)

終わり


44 ◆UdAJMskFsE:2010/09/06(月) 00:47:19 ID:???O
ごめんなさい。

祭終了一分前に来て、一時間近く投下とか本当にすいませんでした。

三国志作品です。

ありがとうございました。

[ 2010/09/07 20:38 ] 三国志Z作品 | TB(0) | CM(0)
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